中国最大のソーシャル・ネットワーキング・ サービス(SNS)「人人網」がこのほど発表したホワイトカラーに関する調査・研究報告によると、回答者の53.5%が「適度に緊張感があり、適度にリラックスできている」と回答し、ホワイトカラーの心理状態は決して疲労やむなしさ、いら立ちなどだけが大きな位置を占めているわけではないことが分かった。ただ、70.2%が「仕事で時々疲労を感じる」とも答えている。中国紙「広州日報」が報じた。
▽53.5%「適度に緊張感があり、適度にリラックスできている」
調査では、回答者の50%以上が「適度にリラックスできている」と答えたものの、「会社は自分の家のようにほっとできる環境」と答えた回答者は29.1%にとどまった。また、30.60%が「同僚同士の探り合いが存在し、意思の疎通に欠ける」、33.6%が「特に何も感じない」と回答した。
一方、残業に関しては、約55%が1カ月に「2回以下」と回答した。うち、16.8%が「残業をしたことがない」と回答している。それでも、91.6%が「仕事中に眠くなったり、疲労を感じたりする」と回答した。このほか、「仕事が自分の人生の価値を高めるか」に関して、「高める」と答えた人は28.6%で、「高めない」と答えた人の割合(23.7%)よりもわずかに高かった。残りの47.7%は「わからない」としている。
調査ではSNSがホワイトカラーの息抜きに一役買っていることも明らかになった。データによると、回答者の80%以上が、「暇を見つけてSNSをしている」と回答し、そのほとんどが「SNSを通して同僚と情報の共有をしたり、意思の疎通を図ったりしている」とした。
「AさんがBさんを踏み台にして出世した。CさんがDさんのことを上司に告げ口していた……」。職場では、このようなやり取りが毎日頻繁になされ、いくらがんばっても、同僚と誠意のある仕方で向き合うことができないドロドロした環境になっているのかというと、そうではないようだ。同報告によると、回答者の81.2%が「同僚とは良い関係を築かなければならない」、96.1%が「新しい仕事の環境に入っていくには、人間関係にうまくなじまなければならない」と回答し、「同僚と良い関係を築く必要はない」と回答した人はわずか1.4%だった。
中国の企業では今、「一人っ子政策」施行後(1978年)に生まれた一人っ子で、一般的に「ワガママ」といわれる80年代生まれの若者が骨格を担うようになり、さらに思想や理念が一世代上の中国人たちとは大きく異なるとされる90年代生まれの若者も社会に進出し始めている。これら若いホワイトカラーは子供のころからインターネットに接し、SNSなどを通して他の人と意思の疎通を図ることには特に長けている。そのため、これらの世代の若者が社会に出ると、同僚と密接な心のつながりを持つことを強く望み、さまざまな機会を利用して同僚と意思の疎通を図り、同僚の生活に溶け込もうことに力を注ぐ。同報告によると、回答者の60.2%が「同僚の誕生日を祝う」と答え、「あまり知らない同僚がサポートを必要としているとき、サポートするか?」との質問に66.7%が「する」と答えた。一方、「理由を考えて断る」や「断る」と答えた回答者はわずか6.6%にとどまった。