中国では数年前、「理想はグラマー、現実はスリム」(理想は大きく膨らんでいるが、現実はそれと大きくかけ離れているという例え)という言葉がインターネット上で流行したが、最近ネット上で話題となっている「黒暗料理(料理の初心者などが作り、見てくれが非常に悪い料理や食べ物のこと)」のケーキシリーズにも、この言葉があてはまるかもしれない。中国江蘇省の地元夕刊紙「楊子晩報」が報じた。
ネット上に投稿された「みにくいケーキシリーズ」を見ると、思わず笑ってしまう。画像だけを見ると、ケーキにはかわいい動物の絵などが描かれており、食べるのはもったいないという気持ちになるのだが、実際に実物を受け取ると、あまりにも哀れな見た目に「もったいない」ではなく「食べる気にならない」という気持ちになるという。ネットユーザーからは「これは黒暗系料理界の『傑作』に違いない」「こんなケーキを送るなんてなかなかのアイデアだね」と揶揄する声が寄せられている。
あまりにみにくいケーキの投稿者は「今年4月に、何気なしにウサギのケーキの投稿をクリックしたら、お腹が痛くなるほど笑えたから、ほかのスレからもおもしろいケーキを集めた。そのうち、ほかのネットユーザーも次々投稿してくれた。中には、共同購入でかわいいパンダのケーキを注文したのに、実際に送られてきたのは……目を生クリームで直接描いたなんともぶさいくな熊のケーキだった、なんていうのも。インスタントメッセンジャー・QQを使って店側にクレームを入れたら、画像を見た店員も笑っていたらしい」とエピソードを話した。
これら「傑作」には、毛が爆発した中国で人気のアニメキャラクター喜羊羊(シーヤンヤン)、細長いドラえもん、ウサギのふりをしている豚、お下げの斜視の女性など、あまりにひどいその絵は、ネットユーザーらの爆笑を誘っている。ネットユーザーからは「ケーキ職人に美的センスがないと、そのケーキ屋の看板に傷が付くことがよく分かった」「消費者という立場でなければ、おもしろいんだけど」などの声が寄せられている。
「人民網日本語版」2012年10月10日