米国の世論調査機関ピュー・リサーチ・センター(Pew Research Center:本社ワシントン)が16日に発表した調査の結果、米国に対して中国人が抱くイメージは、より「敵対的」なものになっていることが判明した。中米関係が「協力的な関係」であると認識している中国人の割合は、2年前の68%から39%に急落、反対に、両国関係が「敵対的な関係」だと思っている人は、8%から26%に急上昇した。また、中国人の92%は、「両親が自分と同じ年齢だった時代の生活に比べ、自分たちの生活レベルはかなり高まったが、役人の腐敗、貧富の格差、物価の高騰、食の安全に対する脅威など深刻な問題は増える一方だ」と感じている。「中国では、金持ちはさらに富み、貧乏人はさらに貧しくなっている」との見方に対し、「全く同感する」または「ほぼ同感する」と答えた人は、全体の81%を占めた。環球時報が伝えた。
ピュー・リサーチ・センターは、今年3月18日から4月15日までの間、中国人成人3177人を対象としたインタビュー調査を実施した。これは、世界21カ国を対象に同センターが今春実施した「ピュー・グローバル・アティチュード」プロジェクトの一環という。調査結果の中で、各メディアが最も注目したのは、「米国人に対して中国人が抱くいイメージは、ますます敵対的なものになっている」ことだ。AP通信は17日、ビュー・リサーチ・センターの調査結果を引用し、中国人に対する米国とオバマ大統領の吸引力はますます弱まっていると報じた。これによると、米国に好意を抱いている中国人は、前回の58%から43%に減少、敵意を持つ中国人は37%から48%に増加した。また、オバマ大統領を「信頼している」中国人は52%から38%に減少、「信頼していない」と答えた人は、30%から41%に増加した。米CNNは17日、「米国に限らず、世界全体に対して否定的な見方をする中国人が増えている」と伝えた。「中日両国間に存在するのは『敵意』」と答えた中国人は41%に達し、「中日関係は協力的」と認識している中国人は30%にとどまった。このほか、「中国とインドとの間に協力関係の構築は可能」との見方を示した中国人は39%と、2年前の53%から大幅に低下した。
ピュー・リサーチ・センターの調査報告は、「中国政府が10年に一度の指導者交代に向けて準備を進める今、中国の民衆は、国家は、極めて深刻な課題をますます多く抱えていると感じている。特に、政治の腐敗、貧富の格差、物価の高騰、深刻な環境汚染など、経済の急成長によって生まれたマイナスの成果が、人々にとって非常に大きな懸念となっている」と指摘。また、「貧富の格差は、中国が現在直面している超難題の一つだ」と感じている中国人は48%に達した。4年前の調査では、この割合は41%だった。「役人の腐敗」が、現在の由々しき問題と考えている人は、4年前調査の39%から50%に跳ね上がった。このほか、「中国では、金持ちはさらに富み、貧乏人はさらに貧しくなっている」との見方について、「全く同感」とした人は45%、「ほぼ同感」は36%だった。中国社会の近年の目まぐるしい変化を、全ての中国人が歓迎している訳ではなく、外国の影響に直面し、「中国の伝統的な生活様式は保護されるべき」と答えた人は60%に達した。調査報告によると、ここ数年、食の安全を脅かす事件がますます増えるにつれ、食の安全に関心を持つ中国人の割合は、2008年の12%から41%に上昇した。英国放送協会(BBC)は、これらの問題は全て、中国の次期指導者が早急に解決すべき問題であるとの見方を示した。
「人民網日本語版」2012年10月22日