一方、特筆すべき事実として以下の2点が挙げられる。一つは、SNSは2009年から日本社会の表面に兆しとして現れ始め、その後社会行為を左右させるほどの影響力を持ったということだ。今年の7月より首相官邸前で行われている「反原発デモ」はその最たる例だ。7月30日の「朝日新聞」の記事によると、首相官邸前のデモに参加した人のうち、4割以上の人がフェイスブックやツイッターなどを通じて集まったという。また、全国の8割以上の人がネットを通してデモ活動について知り、テレビや新聞などの各伝統メディアを通して知った人は2割しかいなかった。
もう一つは、SNS時代のインターネットは十数年前の「2ちゃんねる」時代に比べ、非常に健全になったことだ。「2ちゃんねる」時代の誹謗中傷や個人情報流出などの問題は、現在のSNSとは比較にならないほどだった。SNS上には「バカ」と「暇人」も非常に少なく、こうした層はほとんど影響力を持たない。
ここから見ると、日本のような先進国でも、インターネットが出現してまだ20年もたたない。使用者は「左派」だろうと、「右派」だろうと、インターネットの世界ではまだまだ未熟者にすぎない。インターネットを正しく理解し活用できる技術「ネット・リテラシー」を高めることが、日本社会の現在の急務といえる。
「人民網日本語版」2012年10月29日