こうして、日本で、「代理お見合い」パーティーが、70代の親の間で流行し始めた。このパーティーは、本人は姿を現さず、親だけが出席する。主催者側は、本人のプロフィールが書かれた「釣書(つりがき)」と呼ばれる書類を準備する。「釣書」には、本人の学歴、職歴、収入、過去の結婚歴などが記されている。親は、パーティが始まる前にこれを熟読し、これはと思える相手に眼をつけておく。親が最も重視するのは、結局のところ、「ハード面での条件」だ。
代理お見合いパーティーは、開始後、ある不文律で進められる。女性側の親がまず先に席につき、男性側の親がやって来るのを待つ。「釣書」に写真が掲載されていない場合は、この場で初めて見ることになる。しかし、ほとんどの親は、外見をそれほど重視しない。彼らにとって重要なのは、相手の諸条件だ。条件の良い女性の親の席には、男性の親が長蛇の列を作る。
では、どのような人物が、「良い条件」を備えているのだろうか?男性側の親は総じて、息子より3歳から5歳年下で、30歳前後の女性がベストだと思っている。再婚でも問題なし。一方、女性側の親は、男性に対する条件として、「大卒」「安定した収入」「バツイチOK、ただし連れ子なし」を希望する場合が多い。この不景気なご時世ゆえ、国家公務員はかなりの「人気」だ。男性の職業が公務員ならば、その他の条件は多少眼をつぶることができる。
親は、自分達が気に入った相手の「釣書」を家に持ち帰り、本人と話し合う。その結果、次のステップに進むかどうかを決める。両家ともに、お互いに好印象を持った場合、「家族会議」の場が設けられ、本人同士が対面する。本人同士に大きな反対理由がなかった場合、縁談はほぼ成立だ。もちろん、子供の相手をあれこれ物色しすぎて、迷ってしまう親もかなりいる。毎週「代理お見合い」パーティーに出席することが、すでに娯楽のひとつになっている親も多い。
親による「代理お見合い」パーティーは、2002年に誕生したという。最初のパーティーは、北海道札幌市の某結婚紹介所の発案で開催された。その後、テレビで紹介されて全国に拡大した。お見合いパーティー業を展開している会社はかなり増えている。「子供を想う親心」は、中国人・日本人に関わらず、全く同じだ。唯一異なるのは、中国の70代は、「孫の結婚相手」を探すという点だろう。
「人民網日本語版」2012年11月8日