シンガポールの華字紙「聯合早報」は10日、シンガポール版「今年の漢字」を発表。「色情」を表す「色」が選ばれた。厳粛なイメージの強いシンガポールで、1年を締めくくる漢字として「色」が選ばれたことは、少し意外に感じるかもしれないが、今年は確かに「色情」関連のニュースが同国をにぎわした。環球時報が報じた。
「聯合早報」は昨年より、「今年の漢字」を読者投票で選んでおり、今年で2回目。今年も専門家らが共同で、今年の世相を表す「改」や「怒」「責」「徳」など10の漢字を候補に挙げ、3週間にわたり投票が実施された。結果は、「色」が終始先頭に立っていたという。
シンガポールでは今年の初めから、政治家や商業界、教育界の地位ある人などが、性的スキャンダルが原因で失脚するというニュースが続出。「聯合早報」は「地位が高くなり、権威を持つなど、暮らしが良くなると性欲が強くなるのか?それとも、長期間ストレスにさらされていると、性的感情が強くなった時に抑えることができなくなるのか?この社会は手の施しようのない状態になってしまっているのか?」と問いかけている。
シンガポールメディアは今年2月、18歳以下の少女の売春斡旋(あっせん)サイトをスクープ。同サイトを60人以上が利用していたことが明らかになった。その後、警察の捜査が進むにつれ、海軍の将校や学校の校長、教師など立場ある人も事件に関わっていたことが判明した。中でも、世間に最も衝撃を与えたのは、香港の映画・メディア王と呼ばれるショウ・ブラザーズの邵逸夫氏の又甥(またおい)に当たり、これまでにシンガポール環境理事会の執行理事長なども務めた、邵在礼の関与だった。邵被告は2010年10月に、あるホテルで18歳未満の少女に500シンガポールドル(約3万3千円)を渡し、みだらな行為を行ったとして今年9月、懲役12週間の判決を受けた。