ここ20年来、多くの伝統的な和服屋や会社が次々と閉鎖して、明らかにその軒数は減少している。どうして和服は危機に陥ってしまったのか。
実際、実用性や便利さを考えて大多数の日本人は和服を着なくなった。急いで歩く必要がなく、人力車に乗って移動していたような時代には、和服はじゅうぶん快適だった。しかし、時代に逆行できない日本でこのような条件はとても無理なことだ。この時代のぎっしりと込み合う電車の中で和服を着るのは、苦痛以外の何者でもないだろう。また、和服は個人の行動範囲を狭め、礼儀も変えなければならないし、いろいろめんどうなのだ。
和服が日本の暮らしの中で消えてからしばらく時間がたったので、今のほとんどの日本人女性は、自分できちんと和服を着れなくなってしまった。なのでさらに一、二回しか着ない和服のために和服の背景にある複雑さを理解しようとする人もほとんどいない。もっと残念なことに、ほとんどどのような和服が美しい和服か、知る人もいなくなってしまった。女性が和服を着たら、どのような動作が美しいのか、さらには和服に対する常識の足りなさや無知を気にする人もいなくなった。