和服の値段は、ほとんどの人にとって欲しいけど買えないものになった。高級和装一揃いの価格は数万ドルに及ぶ。心から和服が好きでも、上等な和服を買ってしっかりとメンテナンスをするのは、一般の日本人にとって負担が重いのだ。和服を着る必要があると、多くの人は貸衣装を借りて、買わなくなった。これが悪循環を呼んで、買う人が減ることで和服は高くなり、高くなることで買う人が減った。このように高い価格で和服は自らをがけっぷちに立たせることになってしまった。
和装縫製はもうすぐ後継者がいなくなるだろう。裁縫や布を織る人たちは、本当に下働きに耐えなければなれない。およそ20年から30年ほどの徒弟時代が必要だ。だから呉服屋を継ぐには、20年から30年は何とか生計を成り立たせなければならない。あと十数年するともう和裁ができる人は簡単に見つからなくなるかもしれない。
現在、多くの人が和服の残りの命はわずかでその運命は変わらないと思っているが、事情はそれほどひどくないかもしれない。もしかしたら、和服はこの世からなくならないかもしれない。
日本のある有名な芸者は200着の和服を持っているという。彼女も仕事をしていない時間は洋服を着ているが、取材で和服が現代社会で生き残れるかたずねられた時、笑ってこう答えている。「もちろん生き残りますよ。私が最後の1人になっても、和服を着続けますとも。」しかも彼女は和服を愛する芸者の中の1人に過ぎない。
芸者は和服の大得意だ。彼女たちがこの危機に瀕した和服を死ぬまでは.生きている限り守るだろう。ただし、和服の最盛期が二度と戻らないのは、おそらく間違いない。 (倪亜敏)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年2月6日