春節(旧正月、今年は2月10日)前の食品の値上がり傾向をそのまま引き継ぐかのように、中国の各業界が値上げを宣言している。ぜいたく品以外や粉ミルク以外に、庶民の生活に直接関係する石油製品やガス、小麦などの値上げが続々と発表されると、ネットユーザーらは「上がらないのは給料だけ」と肩を落としている。中国新聞網が報じた。
中国商務部(商務省)はこのほど、「寒波や濃霧のほか、周期性、季節性要素が重なり、今年の農産品の価格は明らかに高騰している。中国全土の36都市の農産物価格は全体的に上昇している」とした。これに対して「経済参考報」は、「昨年の10月から食品価格の高騰が始まり、2010年初め以来、最も長く上昇の波が続いている」と分析している。
石油製品に関しては、「20日早朝から値上げされる」との情報が飛び交ったものの、一旦は延期された模様だ。しかし、春運(春節前後の帰省・Uターンラッシュ、今年は1月26日から3月6日の40日間)や春になると始まる田畑の耕作などの要素が影響し、春節シーズンの締めくくりとされる24日の元宵節(げんしょうせつ)明けから、上昇が始まると、中国発展改革委員会は見込んでいる。原油価格の3大指標とされるウェスト・テキサス・インターミディエイト(WTI)、ブレント、ドバイの価格はいずれも上昇しているからだ。あるアナリストは、「時間の推移と共に、調整幅に対応して、値段は上昇するだろう。調整価格は近日中に決まるだろう」と予測している。またあるメディアも最近、「発展改革委員会の今年の業務のうち、ガスの価格改革が最も重要になる。関連商品の値上げと共に、今後3年かけて、ガスの値上げを行うと見られる。うち、浙江省や江蘇省、北京、吉林省長春市などでは、すでに値上げの下準備が進んでいる」と報道した。
また、2月20日から鉄道の貨物運送価格も値上げされ、1トンキロ当たり1.5分(約2円)上昇。ここ10年で10度実施された値上げのうち、最大の上がり幅(13%)となった。同価格調整によりコストが上昇し、連鎖反応として衣食住などに関係する商品が今後値上がりする可能性もある。
一方、物価の上昇に伴い、北京や浙江省、河南省、陝西省、貴州省、広東省、深センなどが今年に入って最低賃金基準を上昇させた。うち、深センは、中国全土でも高水準の1600元(約2万4000円)に達している。また中国では昨年、25省が最低賃金基準を調整し、平均上昇幅は20.2%だった。ただ、最低基準を大きく上回る収入を手にしているホワイトカラーは、上昇を実感することはなく、逆に社会保険などの支出が増えてしまう結果になることもあるようだ。
「人民網日本語版」2013年2月22日