24日付韓国紙「国民日報」は、「『ゆっくり』の価値」と題する文章を掲載した。中国で来月開かれる学術会議に参加する筆者は、過去に中国を訪れるたび、日進月歩で発展していく中国の様子に深い印象を受けたと回想している。また、筆者は、中国に旅立つまでに、北京の現在の様子について、韓国在住の中国人教授に尋ねた。その教授は、「一字で表すとすると、『乱』であろう」と答えた。筆者はこの答えに、かなり共感した。中国は今、「成長痛(成長によってもたらされる痛み)」を経験しており、高度成長による副作用を消化している最中といえるようだ。環球時報が伝えた。
文章の内容は次の通り。
「乱」の最も顕著な現象は、「中国式道路横断」である。浙江省は今月初め、信号無視の歩行者に対する徹底取り締まりを実施、わずか20日間で1万人以上の「現行犯」を捕まえた。また、北京市公安局は、「信号無視の歩行者に対する処罰」をめぐり検討中という。大方の中国人は「信号無視は、文明・マナーに対する中国人の認識不足と国民全体の教養の低さの表れだ」という見解を抱いている。しかし、これらはいずれも、根本的要因ではないと思われる。
中国の主要大都市の道路設計と信号灯設置状況から、交通システムは全体的に車優先のシステムで、歩行者に対する配慮に欠けていることが分かり、これが大きな問題点となっている。歩行者や自転車利用者は、自動車の排気ガスでむせかえるような道路で、極めて長い赤信号を待たなければならない。やっと信号が青にかわり横断可能になっても、青信号の時間が非常に短いため、急いで横断しなければならない。また、地下鉄駅出口やバス停留所から歩道までの距離が大変遠く、歩行者は数百メートル歩かないと歩道にたどりつけない。歩行者が道路を渡る時、Uターンする車や右折する車が一旦停止して歩行者を安全に横断させることは皆無で、本当に「一分一秒を争う」状況だ。よって、通行人が道路を横断する時間は極めて短い。「中国式道路横断が行われる所には、中国式道路がつきものだ」と皮肉る人もいる。