「中国式道路横断」は、中国発展の鏡であり、ただひたすら前に突っ走るだけで、周囲の状況について気を配るゆとりのない「高速経済発展」がもたらした大きな副作用であることは、歴然とした事実だ。完成までに20年の歳月を必要とするプロジェクトにもかかわらず、多くの官僚は、目先の功績を求めて急き、在任中に「速攻で勝負を決める」ことで高い政治的評価を得ようと図る。このような社会的風潮のもとでは、「互いに礼を尽くし譲り合い、互いに相手に愛と思いやりで接する」という人間味あふれる心情や気高い心掛けを取り上げる余裕など皆無で、何事につけ「スピード」が求められる。中国の道路では連日、車と歩行者による「生死を分けるスピード劇」が繰り広げられており、「ゆっくりとした歩み」の出る幕など無く、取り残される運命にある。
韓国も中国と同じで、「互いに礼を尽くし譲り合い、互いに相手に愛と関心で接する」という人徳が、社会全体の中で失われつつある。時には急ぐ足取りをゆるめ、「ゆっくり」動くことが私たちにもたらす利益について、じっくり考える必要がある。「ゆっくり」は、決して「怠慢」や「愚鈍」ではなく、礼儀や謙譲、関心や愛にあふれた行為なのだ。
「人民網日本語版」2013年3月26日