西安市文化財局は「遺産の真実性、完全性、科学的に有効な管理、利害関係者による支援は、世界遺産登録申請における基本的な条件となっている。興教寺の世界遺産申請作業は、寺院側の要望を十分に尊重した上で進められており、社会各界の熱い議論を呼んでいる」と説明した。
■CCTV「世界遺産申請、申請自体を疑問視すべき」
11日に放送された中国中央テレビ(CCTV)のニュース番組「新聞1+1」で、「世界遺産申請、まずは疑問点を審議」というテーマで本件が取り上げられた。放送では、自然遺産と異なり、文化遺産には、「人」という極めて重要な要素が盛り込まれていると指摘された。そして、この「人」は、文化遺産の有機的かつ重要な構成要素となっている。世界遺産に申請するとなっても、遺産の中に居る人が快く思っているかどうかについて一切取り上げず、さらには彼らの意見を聴きに行くことさえもしない。そんな状態での遺産申請が一体何の役に立つというのか、と問題視した。
<ミニ知識>
興教寺は唐代樊川八大寺院のひとつで、「護国興教寺」とも呼ばれる。西安市中心部から南約20キロメートル、長安区杜曲鎮少陵原畔、長安区樊川北原(少陵◆)に位置する。唐代の著名翻訳家であり旅行者であった高僧・玄奘三蔵法師が永眠している。西暦664年、玄奘三蔵法師が死去し、白鹿原に葬られた。唐高宗2年(西暦669年)に樊川風栖◆に改葬され、同時に5層の舎利塔が建築された。その翌年、寺院の本堂が建造され、唐粛宗が書き記した「興教」に由来し、興教寺と名づけられた。同寺は全国重要文化保護財に指定されている。(編集KM)
*◆は土へんに原
「人民網日本語版」2013年4月12日