アテネ五輪金メダリストの劉翔選手は、8月18日に行われた男子110メートル障害の1次予選をけがで棄権した。「上海証券報」の報道によると、劉翔選手のスポンサーたちは、おおむね理解と寛容な姿勢を示しているという。
VIZA国際組織中国広報の責任者は記者の取材に対して、「劉翔選手にとってこれは非常に残念なことで、私たちも深く同情し快復を祈っている。彼は今でも人々にとって中国の優秀な選手の代表であり、永遠にVISAの友人だ」とショートメッセージを通じて自社の姿勢を表明した。
2004年に開催されたアテネ五輪で劉翔選手が金メダルを獲得してから、VISA、ナイキ、交通銀行、チャイナモバイル、アムウェイなど約10の内外の企業と契約し、イメージキャラクターとしてコマーシャルに出演した。ある報道では、2003年に劉翔選手がコカコーラのコマーシャルに出演した時の報酬は35万元だったが、2007年に某企業の軽自動車のコマーシャルに出演した時には1500万元まで跳ね上がっており、広告収入は2004年の2300万元から現在の8000万元になったという。
しかし劉翔選手の棄権にともない、こうした投資をいかに回収するかがスポンサー企業の新たな課題になっている。劉翔選手をイメージキャラクターに起用したある企業の関連責任者は、「中国陸上チームはすぐに記者会見を開いた。こうした透明性が高く誠意のあるやりかたは、人々の感情を落ち着かせ、劉翔選手のイメージを守った。そうでなければ劉翔選手のイメージは壊滅的な打撃を受けただろう」と話す。
スポンサーたちは、劉翔選手の棄権に対し理解を示した。しかし劉翔選手の連覇を期待して自社の商品を大々的にPRしようとしていた企業にとって、今後の調整は免れない。
ナイキは以前、劉翔選手のために特別開発した靴が、18日の試合で見られると発表しており、それに関して劉翔選手とナイキは、400万元の広告契約を結んでいた。ナイキの公式スポークスマンとは連絡が取れていないが、業界関係者は、契約金額は変わらないが、今後の実施プランの変更は避けられないだろうと話している。
2007年11月に靴メーカーの「奥康」は、劉翔選手をイメージキャラクターに採用し、一連のキャンペーンを展開した。北京五輪まで100日になった時には「劉翔品質シリーズ」を打ち出し、「奥康の靴を履いて北京で劉翔選手を応援しよう」というセールスキャンペンも行った。奥康グループのブランド計画センターの担当者である羅会榕氏は、18日の午後にネットメディアを通じて、現在検討中で関連の企画は調整しなければならないと明らかにしている。
スポンサー企業は、北京五輪開催前に広告目標の一部はすでに達成していたと専門家は話す。今年の7月に米国のダウ・ジョーンズ社が発表した最新のスポーツ選手の価値ランキングでは、劉翔選手は米国選手以外で4位だった。また中国ブランド研究院のレポートによると、五輪キャンペンを通じて2007年の奥康の知名度は8.63%向上している。
「チャイナネット」2008年8月19日 |