餃子は中国の北方地方で新年を祝うときに食べる伝統的な食べ物だ。日本人は餃子を代表とする中華料理が大好きで、日本にも米国のチャイナタウンのような横浜中華街がある。
日本に行ったばかりの頃、ある定食屋に日本の友人が連れて行ってくれた。この店の焼き餃子定食はとても有名で、友人はメニューも見ずにこの定食を注文した。でも料理が出てきた時にはびっくりだ。餃子にご飯、それにラーメンもついている。これはいったいどういうセットなのだろうか。主食と主食を一緒に食べても何の味もしない。そう言うと友人は少しバカにした様子で、餃子はもちろんおかずだし、おかずは当然ご飯と一緒に食べたほうがおいしいと反論する。聞きながら自分でも何だかわけが分からなくなった。
日本人は本当に焼き餃子が大好きで、しょっちゅう食べても飽きない。しかし日本人に水餃子を食べる習慣はない。口に入れた時の歯ざわりのよさや、肉汁が薄い皮からしみ出すのが餃子だと思っているようだ。
中国の北方地方では、その日に作った餃子が食べ切れない場合には、次の日に焼いて食べる習慣がある。しかし日本人は、焼き餃子とご飯を一緒に食べるのが大好きだ。
実際、海外の中華料理の多くは、その国の人の味覚にあわせ、次第にその国で「現地化」している。東京には中華料理店が多いが、中国人にとって本場の中華料理店と思える店は意外と少ない。例えば「かに玉丼」などは中国では見たこともないメニューの一つだ。