1月16日、サッカー中国チームの于海選手(前)、ゴールチャンスを逃す
ドーハで開催されたサッカーアジアカップ・1次リーグA組の最終戦、中国とウズベキスタンは2-2で引き分けとなり、中国は1勝1敗1分けの3位で敗退した。
一方、5-0、日本はサウジアラビアに完勝し、1次リーグB組を1位の好成績で痛快に突破し、2011年サッカーアジアカップで8強入りを果たした。
アジアカップの16強を見てみると、日本チームが最も異彩を放っていることは疑いようのない事実である。チーム個人の能力も高いが、しっかりしたチームワークは総合力を発揮し、攻撃力にも勢いがある。元サッカー中国代表はブログで「10年前だったら、わが国のサッカーチームは日本との試合では、常に絶対的な優勢を誇っていたが、今の両チームのレベルを考えてみると、日本チームの成長が著しいのか、それとも中国チームが弱体化しているのだろうか?」と述べている。
1990年代初期、中国も日本も職業としてサッカー選手を選ぶ人が増え、サッカーはメジャーなスポーツになっていった。それから20年も経たないうちに、両国のサッカーはこんなにも大きく差を広げてしまったのだ。
日本チームの成功は中国にサッカーの発展に近道はない事を教えてくれた。日本のサッカーは若手の育成と自国で開催されるリーグ戦に力を入れ、地道にこつこつ発展してきた。東洋人の特長を生かし、テクニック第一という不動の理念を貫き通してきた。
学校における年代別のサッカーチームも、早い段階から体制が整っており、レベルごとの試合は既にひとつの完成された仕組みができあがっている。また、日本では、どのレベルのチームも国の代表チームと全く同じ戦術を採用している。つまり、テクニック第一でひたすら練習を積み重ねるということだ。
国際サッカー歴史統計連盟がこのほど発表した「2010年の世界サッカーリーグトップ100」のランキングで、日本のJリーグは27位とアジアのリーグの中でもトップに君臨した。しかし、中国リーグは何と84位まで落ちてしまったのだ。「日本は野球の国」と言われてきたが、サッカーの勢いも今では無視できないものになってきている。
日本のサッカーはアジアの頂点に立っている。中国にしてみれば、日本の成功の秘訣を見習うことが唯一の方法であると言える。リーグ戦の改善と若手の育成の双方に力を入れ、目の前の勝利にだけ執着するのではなく、理性的に長い目で見て着実に成長していくべきである。それしか、再び中国がサッカー強国に返り咲く道はない。もしかすると、時間は十数年、あるいはもっとかかってしまうかもしれないが、始めなければ永久に「羨望と嫉妬のまなざし」で日本のサッカーを、ただ指をくわえて見ているしかなくなってしまうだろう。