米大統領が新大使を指名 中米競争の「軌道修正」に期待

米大統領が新大使を指名 中米競争の「軌道修正」に期待。バイデン政権は発足後、中米関係は「極度の競争」と強調した。同時に米国内の極端な保守勢力は中国に対する極度の圧力とデカップリングを促し、競争と協力を対立させた…

タグ:バイデン 大使 指名 中米関係

発信時間:2021-08-24 11:39:45 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 米国のバイデン大統領はこのほど、新任の駐中国大使にニコラス・バーンズ氏を指名した。中国外交部の汪文斌報道官は23日、指名に関する記者からの質問に回答し、「中国側は米国の新任の駐中国大使が中米両国の友好協力の促進に取り組み、中米関係の健全で安定的な発展を促すため建設的な力を発揮することを願う」と述べた。


 バイデン政権は発足後、中米関係は「極度の競争」と強調した。同時に米国内の極端な保守勢力は中国に対する極度の圧力とデカップリングを促し、競争と協力を対立させた。現在の中米関係は競争が拡大を続けている。バイデン政権は対話に意欲的に見えるが、国内では中国に対する極端に保守的な政治の雰囲気と中間選挙の圧力に直面している。これらを背景とする中米関係は、どのように良好な競争に向かうべきだろうか。

 

 まず、「協力とウィンウィン」の実践において、想定内の食い違いが生じている。「協力とウィンウィン」は理念的には問題がないが、実践においていかに利益の最良のバランス点と双方の期待値の最良のバランス点を見いだすかが新たな難題になっている。中米関係の場合は特にそうだ。実際に中国が世界貿易機関(WTO)に加入後、中米双方は常にウィンウィンであったが、双方の利益に対する期待値は異なっていた。現在の米国はその期待を下回ると判断しており、そのため協力とウィンウィンの既存のモデルに疑問を懐き、その変更を試みている。


 次に、中米関係は常にさまざまな要素が力を発揮している。歴史的に見ると、中米関係は複雑で、一部の要素が対立しあいながら交錯している。例えば競争と相互依存、競争と共存、敵ではないが友好でもない、などだ。これは中米関係の境界を定めにくい原因の一つだ。しかも中米関係は広範で互いに浸透する性質があり、中米関係の社会レベル及び経済分野に関わる多くの要素が力を発揮している。そのため統一的かつ弁証的な考え方により把握する必要がある。


 さらに、大国間の競争は正常だ。大国の発展モデル、利益の要求、価値観が異なる可能性があり、競争は時に不可避だ。競争が必ず一つの結果をもたらすとは限らない。競争関係を正確に処理するため重要なのは、競争の管理と競争の統御だ。相手側を弱め圧力をかける悪の競争を自己向上の善の競争に変える。善の競争はスポーツ競技のように、相互促進の関係を形成できる。一方が優れていれば、もう一方がそれ以上を目指す。一方が強ければ、もう一方がより強くなろうとする。悪の競争は互いに失う関係だ。相手を攻撃し陥れようとするか、間接的な手段で相手側の発展を弱め遅らせるが、自身の実力も上がらず、これが長期化すると互いに損をする結果になる。

 

 最後に、競争の中での協力も実現可能だ。バイデン政権は現在「極度の競争」を強調しているが、競争的な共存も強調している。理性も節度もない競争の激化が続き共倒れの結果になることを懸念し、予測可能な競争を主張している。これは中米両国が競争の範囲・方向・程度を把握する一定の契機をもたらした。中米双方は効果的な管理により競争を「良い軌道」に乗せるべきだ。つまり自己の能力を絶えず高め発展させ、よりハイレベルな競争を形成し、競争の積極的な面をリードし消極的な影響を相殺することで、競争において各自及び双方がより良くなるということだ。これにより最終的に「競争とウィンウィン」を実現する。

 

 改革開放の初期、中国は比較的立ち遅れた段階にあり、競争力が限定的だったため、学習と参考を主な目的にしていた。数十年の発展を経て、中国は長期的に進歩し、一部の面ではリードするようになった(製造業やインフラなど)。米国はこれらの分野で中国の発展に焦点を合わせ、米国の同分野における進歩を促そうとするようになった。これは前向きな相互促進を形成した。中国はハイテク分野で劣勢に立たされており、猛追しようと取り組んでいる最中だ。これも前向きな刺激だ。しかし米国側の中国のハイテク発展への圧力と規制が、競争による発展の初志に背いていることは明らかだ。実際にはハイテク分野にも多くの共同発展の余地が残されている。

 

 中国の秦剛駐米国大使は就任後、米国のシャーマン国務副長官と会談した際に、「理性的で、安定的で制御可能な、建設的な中米関係の促進に取り組む」と強調した。理性的で安定的で制御可能で建設的とは、中米の競争を着眼点としている。中米の競争は不可避かもしれないが、競争の形式は多様だ。善の競争を唱えることは中米双方にとって有利だ。(筆者・王帆外交学院副院長)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年8月24日

 

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