鄭書明さんは重慶市の弘揚建材グループ弘揚セメントに勤務する普通の作業員だが、過去25年にわたり、特に豊かでもない彼は自らの収入のすべてを投じて、300名近い貧困児童の食・住問題解決の手助けをしてきた。また、彼らの一部にはさらに学費や生活費を援助し、感動的な話を書き記した。
1992年、彼は20平方メートルに満たない自らの住まいを、貧困児童が落ち着け、面倒が見られるように「愛心旅館」として改造した。彼は長期にわたって病気に苦しんでいるが、そのために病院に行ってお金を使ったことがなく、1日3食は漬物とサツマイモだけ。15元の服を着ているが、19年間に給与と企業の機構改革時の補償金、政府の見舞金などを利用して貧困児童を援助しており、その金額は累計で10万元以上になる。
借金してまで子供たちの学習を援助する彼が妻には理解できず、結局離婚してしまった。現在も彼は家庭に対して責任を果たせなかったことを悔やんでいる。それでも、彼は援助をやめることはない。彼の行いは武陵山区の各民族人民に感動を与え、「黔江(重慶市の南部)精神」の模範と呼ばれている。
鄭書明さんは、1998年に重慶九五立功表彰メダルを受け、2000年には重慶市労働模範に、01年には全国五一労働メダルを受けた。06年には重慶市優秀共産党員に選ばれ、11年には重慶市道徳模範に選出された。
「人民中国」より 2012年10月9日