(八)改革の難関突破にさらに力を注ぎ、経済・社会発展の推進力と活力を増強させる。
(1)公有制を主体として、多種多様な所有制の経済がともに発展をとげるという基本的な経済制度を堅持し、充実させる。引き続き国有経済の戦略的調整を行い、国有資本が参入もあれば退出もある、合理的に流動するようなメカニズムの整備に取り組み、国際的競争力を具備した大手会社と大型企業グループを育成する。電力、石油、製塩などの業種の改革を深化させる。非公有制経済の発展を奨励、支持、誘導し、さまざまな所有制の経済が法に基づいて生産要素を平等に使用し、市場競争へ公平に参与することができ、また同等の立場で法による保護を受けられるような体制づくりに取り組む。(2)資源関連製品価格および環境保護にかかわる料金徴収の改革を積極的かつ着実に推進する。精製油価格の市場化改革を適時に行う。天然ガスの価格形成メカニズムを見直して充実させ、天然ガスと代替エネルギーとの価格関係を調整する。適当なタイミングを見計らって家庭用電気の段階式従量料金制を実施し、水力発電、原子力発電、再生可能エネルギーの価格形成メカニズムを充実させる。水供給価格の改革を推し進める。汚染物質排出権の有償使用と取引に関するテスト作業をさらに推し進める。(3)医薬衛生体制の改革を加速する。五項目の重点改革を掘り下げて推進し、三年間を期限とする重点任務の基本的な達成を図る。二〇一一年度には、都市部職員・労働者と都市部住民の基本医療保険加入率、および新しいタイプの農村合作医療の加入率を九〇%以上に保つ。政府運営の末端医療衛生機関に基本的医薬品制度を全面的に導入し、基本医薬品の仕入れメカニズムを構築し、規範化し、末端医療衛生機関の総合改革を推進し、長期的で安定した補償メカニズムを打ち立てる。公立病院改革のテスト作業をしっかりと行う。社会資本による医療機関運営を奨励、誘導する政策を実行に移す。(4)財政・税制や、金融、投資体制の改革を深化させる。財政の移転支出制度を充実させ、一般的移転支出の規模と割合を拡大し、県クラスの基本的財政力保障メカニズムを健全化させる。予算管理制度の改革を深化させ、予算の公開を積極的に進める。資源税改革の実施範囲を広げる。事務所サービス業に対して付加価値税徴収へ転換させるテストを繰り広げる。重層化した資本市場体系を整備し、債券や先物市場を発展させ、直接融資の割合を高める。農村新型金融機関の育成に取り組む。人民元為替レートの形成メカニズムをさらに完備させる。政府投資条例、および企業投資プロジェクトに対する審査・確認と登録管理条例を早急に制定する。(5)農村の総合改革を引き続き推進する。農村土地収用条例を検討、制定する。集団所有林地の林権制度改革を深化させ、引き続き国有林場・林業地域の改革テストを行う。包括的改革のモデル事業を積極的に推進する。