代表のみなさん国務院の委託を受けて、第十一期全国人民代表大会第四回会議に二〇一〇年度中央と地方の予算執行状況および二〇一一年度中央と地方予算案を報告し、審議を願うとともに、全国政治協商会議の委員のみなさんからもご意見を求めたいと思う。
一、二〇一〇年度中央と地方の予算執行状況
二〇一〇年、中国共産党の確固たる指導のもとで、全国の各民族人民は一致団結して勇往邁進し、粘り強く奮闘すると同時に、各地区、各部門も鄧小平理論と「三つの代表」の重要な思想を指針として堅持し、科学的発展観を深く貫き、その実践に努めた。さらに中央の定めた政策や活動計画を全面的に貫徹し、第十一期全国人民代表大会第三回会議で採択された関連決議を真剣に実施し、これにより、国民経済は安定したより速い発展をとげ、社会の調和と安定が保たれ、改革開放と社会主義現代化建設においても新たな重要成果がおさめられた。また、これを踏まえて、財政の発展と改革が着実に推し進められ、公共財政予算、政府系基金予算、国有資本経営予算からなる政府予算体系の枠組みがほぼできあがり、社会保険基金予算編成の試行がスタートし、二〇一〇年度予算の達成状況もかなり良好であった。
(一)公共財政予算の執行状況
全国(中央と地方)の歳入は八兆三〇八〇億三二〇〇万元で、二〇〇九年度と比べて(以下同)二一・三%伸びた。当初予算に組み入れた中央予算安定化基金からの受入分一〇〇億元をこれに加算すると、歳入総額は八兆三一八〇億三二〇〇万元となった。全国の歳出は八兆九五七五億三八〇〇万元で、一七・四%伸びた。中央予算安定化基金へ補充した二二四八億元と地方財政の次年度繰越明許費支出一三五六億九四〇〇万元をこれに加算すると、歳出総額は九兆三一八〇億三二〇〇万元となった。全国歳入歳出総額の差引差額は一兆元であった。その内訳は次の通りである。
中央の歳入は四兆二四七〇億五二〇〇万元で、予算の一一一・六%を達成し、対前年度比一八・ 三%伸びた。中央予算安定化基金からの受入分一〇〇億元をこれに加算すると、歳入総額は四兆二五七〇億五二〇〇万元であった。中央の歳出は四兆八三二二億五二〇〇万元で、予算の一〇三・六%を達成し、対前年度比一〇・三%伸びた。その内訳は、中央レベルの支出が四・七%増の一兆五九七二億八九〇〇万元で、地方への租税還付金と移転支出は一三・三%増の三兆二三四九億六三〇〇万元である。中央予算安定化基金へ補充した二二四八億元をこれに加算すると、歳出総額は五兆五七〇億五二〇〇万元であった。収支総額を差し引くと、赤字額は八〇〇〇億元で、予算より五〇〇億元減少した。二〇一〇年度末時点の中央財政の国債残高は六兆七五二六億九一〇〇万元で、七兆一二〇八億三五〇〇万元の当年度予算限度額以内に抑えた。
地方レベルの収入は四兆六〇九億八〇〇〇万元で、中央からの租税還付金と移転支出の収入分三兆二三四九億六三〇〇万元をこれに加算すると、地方の歳入総額は七兆二九五九億四三〇〇万元で、対前年度比一九・三%伸びた。地方の歳出は二〇・六%増の七兆三六〇二億四九〇〇万元で、次年度繰越明許費支出一三五六億九四〇〇万元をこれに加算すると、歳出総額は七兆四九五九億四三〇〇万元であった。歳入歳出総額の差引差額は二〇〇〇億元であるが、この部分は国務院の許可を得て、財政部が地方債を代理発行することで補填された。