香港メディアの記事によると、シンガポールの李光耀氏(リー・クアンユー、シンガポールの初代首相、現顧問相)は先般、中国を訪れ、北京でシンガポールのメディアの取材に応じた際、「大陸部のトップ層は台湾問題についてよく考えており、それを手ごころを加えるとは思わない」と述べた。李光耀氏はまた、次のように語った。
「大陸部は五輪への影響を恐れて台湾問題解決の手を緩める」と勘違いしている台湾のトップもいる。もちろん、大陸部は北京五輪やほかの要素を考慮してはいるが、台湾問題は相変わらず中国にとって最も重要な国益にかかわる問題である。大陸部は台湾問題を非常に重視し、そのための準備をも整えている。台湾の人々は、中国政府の発言によく耳を傾けなければならない。
貿易と人民元為替レートは中米関係を妨げている重要な問題であるが、両国関係にとって最も大きな問題はやはり台湾問題である。台湾はいわゆる「独立」へとつっぱしり、アメリカは来年3月の台湾の選挙の前に台湾がおろかな行為に走らないことを確保することができなければ、予測不可能の結果が発生する可能性は高い。
李光耀氏はずっと台湾海峡両岸の関係に注目しており、常に台湾海峡の情勢について自らの見解を明らかにしている。1992年の「汪辜会談」( 大陸部の汪道涵・海峡両岸関係協会会長と、台湾の辜振甫・海峡交流基金会会長(ともに故人)によるトップ会談)は李光耀氏が執政していた時期のシンガポールで開催されたものであり、いままでも台湾両岸の関係において歴史的な出来事と見られている。従来、台湾問題についての李光耀氏の見解と主張は両岸の当局に重視されてきた。
2007年8月、李光耀氏は台湾の蕭万長氏および謝長廷氏と会見した際、いわゆる「台湾独立」に反対する見解を明らかにした。李光耀氏は「私は台湾の福祉に関心を寄せる友人として『台湾独立』に反対するものである。なぜなら、『台湾独立』は台湾に危害を及ぼすばかりか、地域の安全にもマイナスの影響をもたらすことになるからである。台湾は自らを中国から独立した『台湾共和国』と見なし、または国連加盟を目指すなら、必ず危害をもたらすに違いない」と語った。
李光耀氏はまた、「台湾のトップ層も台湾の国連加盟は必ず失敗に終わることをよくわきまえている。国連常任理事国であるアメリカと中国がそれを反対している。台湾の政党間におけるこの政治的なゲームは結局、『有権者』たちの票のみをねらったものであろう」と語った。
関連記事によると、両岸関係は複雑に入り組んではいるが、「台湾独立」は絶対に立ち入ってはならないことと見なされている。大陸部のトップ層から見れば、「台湾独立」は絶対に許されない行為である。陳水扁当局もそれがわかっているのに、執政の八年間に「執政の実績がない」と苦境から脱出するため、台湾当局は「国連加盟」を利用して民衆の目をそらし、悪意をもって台湾海峡両岸の人々の感情を傷つけ、両岸関係を意識的に危険の境地に追いやろうとしてきた。李光耀氏は両岸関係の観察者として、その見解は非常に公平なものであり、国際社会の普遍的な見方を代表するものでもあるので、台湾の人々はそれを重視しなければならない。
「チャイナネット」 2007年11月20日