21年前に、江蘇省の若い農民の張雄偉さんは初級中学校を卒業した後、上海市の建築工事現場に来てアーク溶接の見習い工になった。彼の故郷と1本の川を隔てたところにある中国の最も大きな都市上海で、張雄偉さんは未来に対し何度も夢を描いたことがあるが、自分が上海市人民代表大会代表になることは夢にも思っていなかった。
上海市第13期人民代表大会第1回会議で、張雄偉さんは『出稼ぎ労働者の技能育成・トレーニングを強化することに関する提案』と『地方から来た従業員の子女へ当市の中・高等応用技術学校をさらに開放することに関する提案』という2つの書面による提案書を提出した。 「私は出稼ぎ労働者の代表であり、もちろん出稼ぎ労働者の生活状況に最も関心を持っており、みんなが私を選出してくれた以上、私はみんなのためにいくつかのことをするべきである」と張雄偉さんは語っている。出稼ぎ労働者の養老、子女の教育、医療などの問題はすべて出稼ぎ労働者の人民代表大会代表としての張雄偉さんが声を大きくてアピールしていることである。
38歳の張雄偉さんは、中国の各地から上海市に来た400万人以上の出稼ぎ労働者の中の1人であり、上海で何年も生活してきた彼は流暢な上海の方言を話すことができるにもかかわらず、上海市に戸籍がないため、依然として出稼ぎ労働者と見なされている。
中国の都市と農村が2つに分けられる戸籍の管理を背景として、これまでに都市の人民代表大会代表と農村の人民代表大会代表がいたが、出稼ぎ労働者の人民代表大会代表は存在しなかった。この人数が極めて大きな社会層の利益の訴えをいかに表現するかということは、社会各層の注意を引くことになった。2007年3月16日に開かれた第10期全国人民代表大会第5回会議で採択された『第11期全国人民代表大会の代表定員と選挙の問題に関する決定』の中で、「出稼ぎ労働者の比較的に集中している省・直轄市に出稼ぎ労働者の人民代表大会代表も存在するべきである」と初めて明確に規定されることになった。