「チベット青年会」主席のツワンリンゾンが公然と世界じゅうで吹聴している「チベット抵抗運動」が自爆の暴力手段で抗争を行うことになるおどし文句について、中国のテロ対策専門家の李偉氏は、これはあからさまのテロリズム的おどしであり、中国の国民全体の防犯意識を強化し、さまざまな危険品を厳しくコントロールする環境のもとで、自爆人間爆弾で甚大な死傷と恐怖の波及効果をつくり出し、それによって「チベット独立」の政治的ねらいを達成しようとすることは実現の難しいことだと語っている。
ツワンリンゾンは数日前にインドのダランサラでイタリアの新聞『コリエーレ・デッラ・セーラ』の取材を受けた際にこの極端的な発言をしたのである。彼は、非暴力の路線は中国人に乗ずる機会を与えるものであり、今や闘争の戦術を変えるべき時であり、すべての代償を惜しむことなく、できるだけ早く「チベットの独立」を達成しなければならず、「抵抗運動」は自爆の暴力手段をとってもよいと語った。もちろん、ツワンリンゾンはこの機会を利用して全世界に北京五輪をボイコットするよう再度呼びかけることも忘れなかった。
李偉中国現代国際関係研究院テロ対策研究センター主任はさらに次のように語った。
テロ組織をどのように画定するかについて、各国の基準は完全に同じではないとはいえ、いくつかの基本的な要素は同じであり、一般の人たちを目標とする暴力行為を画策し、組織し、実施するかまたはそれを実施するということでおどし、社会で普遍的に恐怖感を引き起こし、政府にいくつかの既存の政策を変えるよう迫ることを意図とするものであり、言い換えれば、平民を目標とし、政治的ねらいは政府に定め、爆破、誘拐、暗殺、毒物混入、放火などの暴力行為を画策し、実施するかまたはその実施をほのめかすことでおどすことは、とりもなおさずテロリズムである。
これらの基本的な要素から見て、ツワンリンゾンのおどし文句を含む「チベット青年会」の多くのすることなすことは、テロリズムに向かう本質を暴露するものである。
世界のテロ対策の分野で、自爆人間爆弾は「インテリジェンス爆弾」と称され、相対的に言うと、防犯の難度が比較的に高いものであり、もし「チベット青年会」が適切な人を物色し、募集するならば、このようなすでにテロリストの性格に合致した「チベット独立」の組織にとって、いくつかの在来の方法で作った爆発物を使ってこのようなテロ活動の実施に着手する可能性があり、事実上、彼らが公然と自爆攻撃をもっておどしていることは、すでに恐怖感を引き起こす効果をねらったものである。
中国は兵器と危険物管理の面で非常に厳格な国であり、テロ攻撃の中で軍用クラスの爆発物を使おうとすれば、国内でそれを入手しようと、それとも国外からそれを持ちこもうと、その可能性はいずれもきわめて小さい。ところが、現在、発破、道路開さく用の爆薬が社会に比較的多く出回っているため、完全に爆発物を探し当てることはできないとは言えない。重要な場所では厳格なセキュリティ・チェックがあり、自爆爆破は非常に難しく、相対的に言うと、セキュリティ・チェックのない人口の密集する場所で防犯を行う難度はいくらか大きい。中国はすでに民衆に働きかけて防犯意識を強化し、さまざまな挙動が不審で、行動が異常なものに対し、いずれも警戒心を高めるようにさせている。全般的に言って、社会秩序そのものが比較的に乱れ、治安管理が足りないところで手を下す機会を探し当てることはいくらか容易であろうが、中国は従来から社会のセキュリティーの面の管理が非常に厳格な国であるので、社会秩序維持の能力が非常に強く、中国でテロ攻撃を行うことは非常に難しい。
「チャイナネット」2008年4月22日