「カンフー・パンダ」は「非常に想像力に富んだ」映画だ――。その想像力はプロットではなく、ドリームワークスやハリウッドが「異なる文化からインスピレーションやモチーフを吸収し、独自の方法で一種の文化を示すことを得意とする」能力、そこにある。
阿宝は有史以来、最も複雑な運命を背負ったパンダだ。
ドリームワークスの米国人監督たちは、阿宝のために最もティピカルな中国式バックグランドを設計した。山水や廟の縁日、メンを売る屋台。パンダが練習するのはカンフー、傷を負えば鍼灸で治す。阿宝が数碗のメンを手にするポーズも、いかにも中国らしい「庶民の店」でのことだ。
ただ、阿宝の眼はグリーン。言えば、肩を聳やかし、手を広げるその姿はかなり「アメリカ的」で、師匠に声をかける時の発音も、英語的だ。
上海在住の女性米国人作家は「カンフー・パンダ」の感想についてこう話す、阿宝のイメージは「非常に興味をそそる。その背景には、西側の人が頭に描く非常に典型的な『神秘的なオリエント』がある、例えば、阿宝が練習する場所は少林寺によく似ている。でも、阿宝の精神、気持ちの表出はティピカルな米国式で、例えて言えば、『努力すれば、必ず成功する』ということ。その両者が揉み合っているところに、私は非常に大きな興味を覚えた」。彼女は、文化的な角度から見れば、「カンフー・パンダ」は実際、中国的な要素をもとにして枠組みが作られ、米国のスピリットがサポートした物語だと言えるとも指摘。この映画は観客に、「中国カンフー」の真の「大儀」がどこにあるかを示すことができたと言う。つまり刻苦、自律、そして「道を悟る」である。
同映画監督の一人はこう語る。「私は中国の文化、中国のカンフーが好きなので、この映画は、『中国に書いたラブレター』とも言えるだろう」
グローバル化、多様化されつつあるこの時代、国と国、民族と民族、人と人との間でより多くの、より深い理解が求められている。
「チャイナネット」2009年1月6日