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BRICs首脳会議の2大注目点
発信時間: 2009-06-16 | チャイナネット

 

中国の胡錦濤国家主席、ロシアのメドベージェフ大統領、インドのシン首相、ブラジルのルーラ大統領は16日、エカテリンブルクで「BRICs」初の首脳会議を開く。(文:「人民日報海外版」"望海楼"欄)

BRICsとは、ブラジル、ロシア、インド、中国の頭文字を合わせた新しい言葉だ。この4カ国は世界的に重要な人口・領土大国であり、現代における重要な新興大国でもある。BRICsは現在、経済の高度成長・回復という歴史的段階にある。国民総生産(GNP)の合計は世界全体の15%を占め、08年には世界経済の成長への貢献率が50%を超えた。

今回のBRICs初の首脳会議は、世界金融危機の深いレベルでの進行を背景に開催される。周知のように、今回の金融危機は米国に端を発したもので、米国が世界経済において重要な地位を占め、米ドルが国際準備通貨としての地位にあるために、急速に全世界に拡大した。これは、世界経済の発展における不均衡、既存の経済秩序・金融システムと実際の構図との乖離などの問題を反映している。

BRICs初の首脳会議は、世界金融危機への共同対処という、新興大国の強い意欲と差し迫った必要性を反映している。4カ国は最高レベルで、協調・協力を強化し、マクロ政策の調整を強化し、保護主義に反対し、国際金融システムの改革を推進する。今年に入り、G20サミットなど、世界として金融危機に対応するための多国間の調整が緊密に行われている。BRICs首脳会議もグローバルな努力の一部だ。

今回のBRICs首脳会議には、2つの大きな注目点がある。

1つは、米ドルの位置づけだ。第2次世界大戦以降、米ドルは国際準備通貨となった。これは米国の国力や地位と関係があり、歴史的な産物だ。米ドルは当初、金為替本位制をとっており、信用性に問題はなかった。だが後に米国が自国経済の必要から、米ドルと金の兌換を停止したことで、その国際準備通貨としての根拠は揺らぎ始めた。今回の世界金融危機以降、米ドルの信用と役割は著しく損なわれ、その国際準備通貨としての地位にはあまねく疑問が投げかけられている。実際、現在では多くの二国間・多国間貿易において、「脱米ドル」の動きが始まっている。米ドルの地位と機能の変化は、当然長期的なプロセスとなるが、各国は世界経済の安定を前提に、慎重に事を進め、入念に操作を行う必要がある。

もう1つは、BRICs首脳会議が定例化・制度化されるか否か、共同行動が可能な枠組になるか、それとも単なるフォーラムに止まるかだ。現状から見ると、今回の首脳会議は、やはり対話と意思疎通の場だ。だが、共通認識・相互信頼の醸成から共同行動を取るまでの距離は、ほんの一歩に過ぎない。

「人民網日本語版」2009年6月16日

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