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楊海坤:民主の樹木に深く厚い土壌を |
発信時間: 2009-09-03 | チャイナネット |
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楊梅坤氏は蘇州生まれ。この20年来、政治学や法理学、憲法学、行政法学などの研究に従事してきた。 ◆末端層の民主は民主の礎である 民主の本質はまさに人民が主人になることだ。どの社会の個人であれ、誰でも理にかなった願望を持っている、と言うべきだろう。第17回党大会は人民の願望にかなうものとなった。報告は「人民の情報を知る権利、表現する権利、参与する権利、監督する権利」を非常に重要な地位に据えている。国の主人として、さらに監督権の行使、自らの指導の監督、公権力機関の監督が必要であり、法院や政府、検察院ひいては党の指導についても批評し、意見を提出し、提言することができるようになった。この4つの権利は相互に関連するもので、1つが欠けても不可である。情報を知る権利がなければ、どうして表現する権利があるのか。同時に、情報を知る権利と表現する権利は参与することで、具体的に示され、参与する最も具体的な表現は主人としての権利、即ち、監督を行使することである。 上述した権利の実現はいずれも末端層の民主の発展と緊密な関係がある。日常生活では、大衆と直接接触するのは末端層の指導者、村民委員会や居民委員会の主任だ。末端層の民主と大衆自身の利益は直接関係しており、じかに触れられる民主を目にすることができる、と言えるだろう。従って、末端層の民主をうまく行うということは、民主を国の隅々にまで拡大させ、社会全体に調和ある雰囲気を浸透させることができること意味している。言葉を換えれば、末端層の民主は民主の礎であり、礎が安定すれば、国の民主も強固になる。 ◆民主の参与には実践の過程がある 広西チワン族自治区宜州市屏南郷作村の85世帯の農民は80年2月、自発的に無記名投票による選挙を行い、全国で初めての村民委員会を誕生させた。村や農民の規約を制定し、農務の民主管理を実施した結果、素晴らしい効果を上げた。党中央はすぐに村民委員会の設立を高く重視する姿勢を示し、視察を通じて、村民のこうした自身を管理し、自身が寄与する体制が、農村の生産を請け負う経済体制に非常に適していることに気づいた。憲法は82年、農村の村民委員会と都市の居民委員会の地位を明確に定めた。 市場経済の発展に伴い、都市・農村部の経済社会生活に極めて大きな変化が生じたことから、末端層の民主の拡大もますます重視されるようになった。98年11月4日、改正「村民委員会組織法」が正式に施行(88年6月1日から試験的実施)された。中国共産党第15回大会は報告書で村民自治に関する「4つの民主」を提起。即ち、民主的な選挙、民主的な政策決定、民主的な管理、民主的な監督である。村民自治と生産請負、郷鎮(農村)企業は、党の指導の下での農民による偉大な創造、と称されている。その後、農村の民主は急速に進み、法制の整備と共に拡大していった。 07年の統計では、全国31の省で実施された村民委員会の選挙率は平均して99.53%に達した。 ◆新たな状況、問題には新たな方法が必要である 豊かになった一部地域では、富裕層の政治への関心が高まり、以前は末端層の選挙では「権力による抑圧」、といった問題が多く見られたが、現在は「金銭による誘惑」が多くなり、金で票を買うところも出てきた。こうした状況について、楊氏は「もし問題視されず、あるいは法によって解決されることがなければ、さらに広がっていく可能性があります。問題が生じた主因は、法律が完備されていない、村務の公開民主管理作業が相対的に遅れているからなのです。例えば、『村民委員会』はこうした問題を余りに軽く扱い、また関連制度を設けるなどの効果ある支援もしていません。具体的に実施する過程で出てくる法に違反する行為についても、詳細な処分方法は設けられていません」と指摘する。 村民委員会組織法の改正作業は、第11期全人代常務委員会の立法計画、国務院の08年立法作業計画の一環として行われた。改正案の草案作業はすでに終了。農村末端層での民主政治の整備や、新農村の建設を進めるため、草案では民主的な選挙プロセスの完備、民主的な政策決定や管理、監督の充実などが主要な内容となっている。 「チャイナネット」 2009年9月 |
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