1970年の大阪万博の際に製作されたテレビ番組「人類の忍耐と長い列」を最近見た。主人公は当時最も人気のあった米国館に入るために3時間も列に並ぶ。この番組に映し出されるのは、不平を言う入場者であり、管理の混乱であり、文明的でない現象だ。会場内のいたる所で、ごちゃごちゃに入り乱れ、地面に横たわったり、うつ伏せになったりする来場者の姿がある。報道によると、大阪万博の来場者は計6422万人で、ピーク時には1日83万人に達した。計8万人余りが負傷し、17人が死亡した。だが、05年に私が愛知万博に行った際は、そのような事は見られなかった。日本の民衆の文明的な行為は、来場者に深い印象を残した。
ハイレベルのパークの建設は、万博の成功に向けた措置の一部に過ぎない。パーク外の都市環境、市民や来場者の文明的資質も同様に不可欠な条件だ。「より良い都市、より良い生活」の内容は幅広く、人々の日常生活と密接に関係するテーマの教育や体験活動も含まれる。万博パーク内では、1つ1つのパビリオン、1つ1つの展示、さらには1人1人の来場者が、「より良い都市、より良い生活」の展示者となるのだ。
上海万博まで600日となった際に「万博600日行動計画」を打ち出したのは、万博パークと釣り合いの取れた都市文明環境を共に創造するよう人々に働きかけるためだ。来場者の文明的行為は都市のイメージを高めるだけでなく、「より良い都市、より良い生活」というテーマに新たな解釈を与える。上海市、長江デルタ、さらには国全体が、「より良い都市、より良い生活」を示す万博パークなのだと言えよう。
国際的なビッグイベントには、人々の心を1つにし、進歩を促す社会的効果がある。ある調査では、万博が都市と生活に好影響をもたらすとの回答が大多数を占めた。人々は万博が「都市の管理水準や社会の文明水準を高める」ことを望み、「社会秩序」「生活環境」「窓口サービスの質」を改善することへの期待に満ちている。上海万博が間もなく開幕する。文明的行為は友好と調和を示し、万博の美しい光景ともなるだろう。
「人民網日本語版」2010年4月6日