憎しみを引き継がない
歴史問題について温総理は次のように話した。歴史問題に触れることを恐れてはいけない。客観的に存在するものなのだ。歴史をかがみとし、未来に向かい、憎しみを絶対に引き継がないことを強調したい。当時の悲劇をつくり出したのは日本の少数の軍国主義者で、日本国民も被害者である。昨年、中国帰国者・日中友好の会、すなわち日本人遺児謝恩団が中南海を訪問してくれた。彼らは「私には2つの家がある、一つは日本、一つは中華」と涙を流しながら歌い、私も涙を堪えることができなかった。
スピーチの後、温総理は出席者とともに夕食をとった。日本の故大平正芳・元首相の次男である大平裕氏は、大平元首相の作品集を温総理に贈った。温総理は本を受け取り、表紙裏の大平元首相の写真を見ながら「彼に会ったことがあります。中国人が非常に尊敬する政治家です」と述べた。
大平裕氏は息子の大平知範氏を温総理に紹介した。温総理は知範氏の手を握り「ますますの発展をお祈りします」と述べ、知範氏は「努力します」とお辞儀した。
農家の長浜義和さんと再会
今回の夕食会には温総理の友人も出席した。温総理が前回、京都を訪問した際に知り合った農家の長浜義和さんだ。温総理は長浜さんのテーブルまで行き、「私のことをまだ覚えていますか。お宅で食事をご馳走になったことがあります」と言うと、長浜さんは「お久しぶりですね」と温総理の手を握った。
2007年秋、長浜さんは温総理に会いに北京を訪れ、特別なプレゼント、トマトの種を贈った。温総理がトマトの種を植えたことを伝えると、長浜さんは「今日また2つのプレゼントを持ってきました。苗2株と温総理が京都で試食されたぼたもちです」と話した。
また、「手紙を受け取りましたか」との温総理の問いに対し、「受け取りました。部屋に飾っています」と長浜さんは答えた。そして隣にいた青年を「私の息子です。11月に結婚するんです」と、温総理に紹介すると、温総理は祝福した。
夕食会の際、温総理は何度も席を離れ、日本の友好団体関係者らに挨拶した。話が盛り上がり、会場はたびたび笑い声に包まれた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月31日