文=中国社会科学院米国研究所 劉衛東
参院選を控えた大切な時期に、鳩山氏と小沢氏のダブル辞任という苦肉の策を講じて国民の信頼をつなぎ止めようとしたことは、民主党の勇気ある行動と言えるだろう。
座して利を得た米国
鳩山氏を直接辞任に追い込んだのは米国である。米国はこの民主党の若いリーダーが好きではなかった。しかしその一方で、オバマ政府は普天間基地の問題によって映し出された日本国民の米国に対する抵抗感についてもよく分かっていた。そのため、そこに油を注ぐことはせず、公の場においては、常に道理に通じた情熱にあふれる日本のパートナーというイメージを崩すことはしなかった。
しかし、この二国間関係の中で最も頭の痛い普天間基地問題において、米国は日本政府の新提案を事実上すべて拒否した上で、今度は沖縄政府が日本国内で起こした反鳩山運動を静観、文字通り、座して利を得た。この方法により、米国は日本国民の感情の矛先を自分ではなく鳩山氏に向けさせ、その力を利用して鳩山氏を追い払っただけでなく、米国に逆らう者はこういう結末を迎えるのだということを暗に示したのである。
では新総理の下、日米同盟にはどのような変化が起こるのだろうか。