文=『世界軍事』編集長 陳虎
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今回の欧州国防展に参加している中国企業は計6社で、著名な国有企業3社の他に、民間企業も3社が出展している。これは真に特筆すべき事実である。
民間企業が軍事製品生産分野へ進出し始めたのは、ここ2年ほどの出来事に過ぎない。この点で、やはり、一つの新たな事象というべきではあるが、既に中国経済の中において活力に満ちた分野となっている。
そして、下述のような特性を有するこれらの企業が参入していけば、軍事製品生産分野に大きなセンセーションを与え、より完全な市場競争メカニズムが形成されることになろう。
民間企業が軍事製品生産のようなハイテク分野に参入するなどというのはアラビアンナイト(=夢物語)に過ぎないのではないかとの疑念を呈する者もいる。実際には、ハイテク技術というのは、研究開発技術や生産技術だけの問題ではなく、一定の理念の上に体現されうるものである。この理念には、軍事製品の研究製造の理念や販売の理念なども含まれる。そして、民間企業はこの理念という面では決して劣っているということはなく、彼らの持つ活力やイノベーション意識は、我々の研究開発・生産・販売の理念の刷新に大きな影響を与えるうるのである。
民間企業湖南省山河科学技術株式有限公司が自主的に研究・開発した無人偵察機
先般ある民間企業の開発した戦術型無人偵察機を見て、私は驚愕した。この無人偵察機は、技術面では特に際立った特長が多いというわけではないのだが、極めて実用的なものであったからである。国有の大企業と比較しても、彼ら民間企業の設計理念はいささかも劣るものではなかった。
これは一見小さな出来事に過ぎないようにも思える。しかし、これは、中国の民間企業が軍事製品製造の分野に参入することが、既にこの分野に影響を及ぼし始めており、かつ将来さらに大きな影響をもたらしうるということを表象しているといえる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月21日