フォーラムで中米関係や中国の政治・経済発展について見解を述べるリー氏(右)
シンガポールのリー・クアンユー内閣顧問は12日、「中国は優れた人材を多く輩出している。個人の資質面からも、国際構造と国内情勢を総合的に分析する能力からも、中国指導部を深く信頼している」と表明した。シンガポール紙「聯合早報」が伝えた。
リー氏は同日、シンガポールで行われた第1回「フューチャー・チャイナ・グローバル・フォーラム」に出席。中国の抱える最大の試練については、貧富の格差や若者の理想をかなえることの問題が大きいこと以外に、汚職問題が最も深刻だとする見方により強く同意し、「数千年来存在してきた汚職という問題は、中国共産党にとって生死に関わる問題だ」と指摘した。
リー氏はまた「個人の資質面からも、国際構造と国内情勢を総合的に分析する能力からも、中国指導部を深く信頼している」と表明。「私が観察したところ、中国は優れた人材を多く輩出している。私は長年中国を訪問しているが、中央から省や市レベルの指導者と接触するといつも、彼らの能力に疑問の余地がないことを感じている」と指摘した。
「中国の若い世代の間であからさまな民族主義が日増しに高まっている」との認識が外国にあり、それが世界で台頭を続ける中国に影響を与えるかどうかについては「重要なのは中国指導部が、自国の総合的実力がまだ米国と優劣を競うことができない時に、今までに取ってきた『自国の実力を隠し、力を蓄えて好機を待つ』策略を外して、実力を過度に誇示することは、中国の現在の国益に沿わないということをはっきり認識することだ」と述べた。
一方でリー氏は「中国が2、30年後、経済規模で米国を超え、科学技術力も接近してきた時に米国と対等な立場を要求しても、余り大きな反発は呼ばないだろう」とも指摘した。
「人民網日本語版」2010年7月14日