米韓両国は黄海と日本海で合同軍事演習を実施すると決定した。演習の時期や目的、米軍が空母「ジョージ・ワシントン」を黄海に派遣するかなどについて、国際社会では多くの推測が飛び交っている。中国が5回続けて米韓軍事演習への強烈な反対を表明したことにも、各方面は強く注目している。中国新聞網は国防大学戦略教育研究部主任の朱成虎少将に、この問題について権威ある分析を依頼した。
----今回の米韓合同軍事演習の目的と動機だが、朝鮮への威嚇と中国への圧力以外に、日本にも向けられたものではないのか?
朱少将:米国の立場に立って見ると、確かにそうした面の意図がある。少なくともその考え方はある。非常に重要な側面として、米国は最近東アジア地域で大きな圧力に直面している。われわれはみな、少し前に日本の前首相が普天間基地問題で長いことごたごたし、日本国内、特に沖縄県民が米軍の駐留に非常に強く反発し、その撤退を求めたことを知っている。同様に韓国にもこうした声がある。したがって今回の演習は実際には、天安事件が米国と韓国に与えた、同盟関係をさらに強固にするための機会だ。同時に、演習によって日本側にも、東アジア地域の安全保障において自分達(米国)のプレゼンスがなければ、日本が単独で対処することはできないということを伝えることができる。演習には 遠回しに警告する意図、または一挙に多くの目的を達成する狙いもあるかも知れない。
(米韓演習に対する日本側の姿勢について)日本では一般国民と政治家、与党の政治家と野党の政治家とでは、姿勢が一致していないはずだ。一般国民は主に野次馬的に事件全体の推移を見ている。だが天安事件において明らかに日本は米国の側に立っている。与党民主党には口には出せない苦悩がある。本質的には、民主党が今回の米韓合同軍事演習を心から望んでいるとは思えない。一方で、民主党と自民党では対米感情が異なり、自民党は日米同盟の強化を主張している。このため民主党は政権の座にありながらも、反対を表明することができないのだ。
「人民網日本語版」2010年7月20日