近年来、日韓の経済・文化交流は日増しに緊密化している。経済面では互いに重要な貿易相手国だ。現在検討中の東アジア自由貿易圏構想が成功すれば、両国の経済的結びつきはさらに緊密化する。文化面では、韓国映画・音楽が日本に「韓流」を巻き起こしたし、両国民間の相互訪問も小さなブームとなっている。日本の小泉純一郎元首相の夫人も韓流スター、ペ・ヨンジュン氏のファンであることを公に明らかにしたそうだ。政治面でも両国関係は進展している。日本の民主党は昨年政権に就くと、アジア重視のスローガンを打ち出し、アジア隣国との歴史的和解、「東アジア共同体」の構築を提唱した。韓国の李明博大統領は08年以来、「原則ある実用外交」を打ち出し、歴史問題や領土係争を薄め、未来志向の「日韓新時代」の建設に着眼し、双方関係の発展に構想を提供した。さらに先日の「天安」事件で、日本が韓国を固く支持し、最大限韓国と協力する方針を表明したこともあり、日韓両国は「蜜月期」に入った。それでもなお日韓関係は脆弱であり、両国双方に民間の民族主義の高まりが生じたことがある。独島(または竹島)帰属係争、「慰安婦」補償などの問題は非常に敏感で、いつでも対立が激化しうる。小泉元首相が靖国神社を参拝した後、ペ・ヨンジュン氏が日本からの招待を拒絶したのはその例だ。
1回の「首相談話」で両国の100年の恩讐を解こうとするのは無理があろう。事実、今回のおわびの規格、方式、具体的な時期について、日本政府内部では慎重な検討が行われた。時期的には、韓国は「日韓併合条約」調印日の8月22日または発効日の29日の発表を希望していた。だが日本側は韓国の民間に賠償要求が高まり、戦後賠償問題が複雑化することを懸念して、最終的に8月10日の発表を決定した。日本側の誠意が一体どれほどのものかもわかるというものだ。韓国メディアは、今回の日本のおわびに対して「その言葉を聞き、行いを観察する」姿勢で臨まなければならないと指摘する。もし本当に100年の恩讐を解きたいのなら、日本はもっと多くの事をしなければならないようだ。
「人民網日本語版」2010年8月11日