空母ワシントンは何をしに来るのか?答は「かき乱しに来る」だ。空母ワシントンは6月14日午前に日本の横須賀基地を出港し、8月8日にベトナムのダナンに到着。空母戦闘群は蹄を休めることなく、東中国海、黄海、日本海、南中国海を「急襲」している。東アジアの決して広大でない海域で、空母ワシントンは短期間内に北から南へ2000カイリ近くを航行した。これは米軍第7艦隊の歴史上、極めて異例だ。「広州日報」が伝えた。
■米国は3つの落とし穴を入念に設けた?
米国が黄海での軍事演習への空母派遣を決定したことに、中国では反対と怒りの声が広がった。ある学者は「米国の挑発や黄海での軍事演習を前に、最も認識する必要があるのは、これが米国が中国を包囲するために設けた戦略的な落とし穴であるということだ」と指摘。「歴史の経験や教訓から悟るべきであり、米国人の巧みな策略に乗ってはならない」と警鐘を鳴らす。
第1の落とし穴は、米国の覇権への挑戦者として中国を位置づけることだ。欧米では「世界のリーダー」の向こうを張る「挑戦者」に良い結末はありえず、得をするのは「リーダー」に追随する「支持者」であることが多い。たとえば16世紀、西洋世界の「リーダー」はポルトガルだった。これに挑戦したのがスペインだが、17世紀末にポルトガルの座に取って代わったのはスペインではなく、ポルトガルの「支持者」を務めていたオランダだった。現在、米国は中国を自国への「挑戦者」と位置づけさせることで、スペイン、フランス、ドイツがたどった末路を歩ませようとしている。一方、米国の同盟国は「支持者」としての役割に徹することで、得をしようと望んでいる。
米国が中国用にあつらえた第2の落とし穴は、挑発して中国を怒らせることで、中国の堅持する経済建設中心の基本路線を動揺させることだ。冷戦中、米国は「スター・ウォーズ」計画を打ち出し、軍拡競争をさせることで旧ソ連を崩壊に導いた。
米国が中国用にあつらえた第3の落とし穴は、中国を刺激して自衛反応を強化させることだ。米国は自らを棚に上げて「中国の軍事力は隣国を脅かしている」と誣告し、中国の周辺環境を悪化させ、中国包囲網の構築を愚かにも企んでいる。中国の発展は東アジアと切り離せないのに、米国は周辺国を近づけようとする中国の努力を不快に感じ、アジアでの利益から自国が押し出されることを懸念している。米国にとって「中国脅威論」の宣伝は、中国と隣国との関係を切り裂く重要な策略となっている。(編集NA)
「人民網日本語版」2010年8月23日