米国がサウジアラビアに売却する戦闘機
米国防総省報道官は13日、サウジアラビアへの武器売却計画を週内にも米議会に提出すると発表した。総額600億ドル規模で、新型のF15戦闘機84機、ブラックホークやアパッチなど最新鋭ヘリコプターが含まれる。計画が承認されれば、米国史上最大規模の武器売却となる。
米国は同時に巡視艇など約300億ドル規模の海軍装備のサウジアラビアへの売却も積極的に検討。さらに、クウェート、オマーン、アラブ首長国連邦など湾岸諸国への新たな武器売却も準備している。突如として湾岸地区は米国にとって活気ある武器輸出市場となった。そしてこれら全ては、南部を湾岸とオマーン湾に面するイランと密接な関係にあるのだ。
米国から見ると、大中東地域の安全構造にはすでに微妙な変化が起きている。イランは注目される核問題の他に、長距離兵器の射程を伸ばし、精度も高めている。これはイスラエルやEU諸国にとって大きな脅威だ。このため米国は湾岸地域への新たな兵力配備に加え、サウジアラビアなどへの武器売却の強化によって、イランの軍事力増強に対応しようとしている。
米国にとってこの行動は「一石三鳥」だ。第1に、サウジアラビアを利用してイランを抑制できる。第2に、武器売却を利用して湾岸諸国への支配を強化できる。第3に、雇用問題の解決と経済の全面回復を渇望する国内にとって、湾岸諸国にこれほど大規模な武器市場を獲得することは、株価上昇の好材料であるうえ、この取引で最大の利益を得るのは明らかに米国の軍需産業なのだ。