温家宝総理
上海協力機構の第9回首相会議が25日にタジキスタンの首都ドゥシャンベで開かれた。タジキスタンのオキロフ首相が議長を務め、温総理は本会議と拡大会議の双方に出席した。温総理は演説で「現在、世界の政治・経済構造には深く複雑な変化が生じている。われわれは集団の力によって、地域の平和と安定をより良く守り、経済・社会・文化の包括的・均衡的な発展を促進しなければならない。これは加盟国の利益に合致するのみならず、上海協力機構の結集力と吸引力を高める上でもプラスだ」と述べた。
温総理は「この地域の安全・安定・調和の維持は、上海協力機構自体の発展、加盟国間の互恵協力の深化にとって極めて重要だ。われわれは戦略的意思疎通を強化し、相互信頼を増進し、行動を調整し、地域の安全と安定を長期間維持できる仕組みを徐々に構築しなければならない。共同行動と総合的措置をとり、『3つの勢力』(分離独立派、宗教過激派、テロリスト)、麻薬密輸、国際組織犯罪をより強力、効果的、持続的に取り締まらなければならない」と強調した。
温総理は上海協力機構の実務協力の強化について、以下の提言をした。
(1)経済貿易協力の活力を強化。政府による誘導を堅持し、市場規則にのっとった企業の協力拡大を促し、科学技術の進歩による地域経済の発展加速を促す。
(2)エネルギー協力を拡大。エネルギー輸送の安全を確保し、風力エネルギーや太陽エネルギーの開発・利用で協力し、エネルギー利用効率を高める。
(3)道路、鉄道、情報スーパーハイウェイなどのインフラ整備を加速し、域内相互ネットワーク通信を着実に推進する。
(4)農業協力を強化。上海協力機構食糧安全協力体制の構築を検討する。中国は他の加盟国での農業技術モデルパークの建設を支援したい。
(5)財政・金融協力を深化。上海協力機構銀行連合体の枠組みでの協力を推進し、ビジネス融資ルートを拡大する。上海協力機構開発銀行の設立を検討し、共同出資・共同受益の新方式を模索する。現地通貨決済協力を拡大し、域内経済・貿易関係を促進する。
(6)能力開発と人的・文化交流を推進する。国境地区での自然災害や公共衛生など各種突発的事態への緊急対応体制の整備を進める。中国は加盟国のために中国語・高級管理人材の育成、上海協力機構初の大学生芸術親睦祭の開催、伝統医学分野での加盟国との交流・協力を行いたい。
各国指導者は上海協力機構の過去1年間の成果を積極的に評価。▽「3つの勢力」への取締りを強化し、地域の安全と安定を的確に守る▽経済政策の協調を強化し、貿易・投資の円滑化を促進し、経済・技術協力事業の実施を加速する▽災害救援・教育・文化分野の協力を深め、地域の持続可能な発展を促進する----ことで一致した。
会議にはロシア、カザフスタン、キルギス、ウズベキスタンの指導者が出席。拡大会議にはオブザーバー国のインド、イラン、モンゴル、パキスタン、さらに議長国の招きでアフガニスタンの代表も参加した。
「人民網日本語版」2010年11月26日