温家宝総理は16日、ニューデリーの迎賓館でインドのシン首相と会談した。
温総理は「国交樹立以来60年、両国関係は非凡な道を歩んできた。その主流は常に友好協力だ。これは両国および両国民の根本的利益に合致するのみならず、地域と世界の平和・発展にもプラスだ。中印関係の発展は25億人の利益に直接関わり、アジアと世界にとっても重要な意義を持つ」と述べた。
シン首相は「中印戦略的協力パートナーシップの構築から5年、ハイレベル交流は日増しに緊密化し、政治的・戦略的相互信頼は不断に強化され、各分野の協力も全面的に推し進められた。現在両国は共に発展の正念場にある。意思疎通の強化と協力の緊密化は両国の発展に寄与するのみならず、アジアの振興、および世界の平和と発展を力強く促すものだ」と表明した。
温総理とシン首相は両国関係や重大な国際問題について深く、率直に話し合い、広範な共通認識にいたった。双方は▽重大な問題について速やかに意見交換するため、国家元首・政府首脳間の定期相互訪問を開始し、首相間ホットラインを設置する▽国境問題特別代表会合制度の役割を引き続き発揮し、政治指導原則に基づき、交渉と協議を通じて、公平かつ合理的で双方共に受け入れ可能な解決策を探る。国境問題が解決されるまで、国境地帯の平和と安寧を適切に維持するーーことで合意した。
また、「戦略経済対話」と「最高経営責任者フォーラム」の創設を決定し、2015年までに相互貿易の規模を1000億ドルに拡大するとの目標を定めた。中国側はインドからの輸入を拡大し、インドのIT製品、薬品、農産物の中国市場進出に便宜を提供する意向を表明。インド側はインドの交通インフラ整備への中国の積極的な参与を歓迎する考えを表明した。双方は「両国経済は相互補完性が高く、協力の潜在力も巨大だ。さらに相互投資を拡大し、ハイテク・エネルギー・鉱業・環境保護・グリーンテクノロジー・金融分野の協力を開拓して、さらに広範かつ高い水準で互恵・ウィンウィンを実現すべきだ」との認識で一致した。
双方は来年を「中印交流年」とし、青年500人を互いに招待するとともに、さまざまな活動を開催し、青年・メディア・教育分野の交流・協力を深め、両国の社会各界の相互理解を強化し、中印友好を代々伝えていくことで合意した。
双方は「中印は最大の発展途上国として、国際問題において広範な利益を共有している。国連などの重要な国際機関、G20やBRICsでの協力を強化していく。気候変動問題における両国の立場は近く、良好な意思疎通と協力を保っている。双方は引き続き共通の利益を守るために協力し、気候変動対策における国際協力を推進していく」と表明した。
シン首相は「チベット自治区は中国の領土の一部だ。インド政府はいかなる者にもインドでの反中活動を認めない」と重ねて言明。温総理はこれを称賛し、引き続き正しい立場を堅持するようインド側に求めた。
「人民網日本語版」2010年12月17日