中国の呉紅波・駐ドイツ大使は李克強副総理のドイツ訪問を前に人民日報のインタビューに応じ、「中独双方の努力の下、両国の戦略的パートナーシップは今年、一層安定的・健全に発展する。国民間の友情と相互理解も一層深まる」と表明した。
呉大使は「2010年は中独関係の発展にとって特別な意義を持つ1年だった」と述べ、以下の点を挙げた。
(1)両国上層部の交流が頻繁に行なわれた。胡錦涛国家主席とメルケル首相は国際会議の場で5回対面した。温家宝総理、李長春政治局常務委員などの指導者が相次いで訪独し、当時のケーラー大統領、メルケル首相、ウェスターウェレ副首相兼外相も半年内に相次いで訪中した。こうしたハイレベルで密度の高い接触によって、中独関係の発展に新たな活力が注ぎこまれた。
(2)中独関係が新たなスタートを迎えた。両国政府は共同声明を発表して、両国関係を戦略的パートナーシップに格上げし、今後の各分野での協力の方向性を明らかにした。2010年はドイツの新政権発足以降、両国関係の継続的安定と健全な発展が実現した年でもある。両国政府は2011年から政府間協議の新枠組みを構築することを決定した。これはEU諸国初の試みだ。双方は、両国外務省の次官級戦略協議を閣僚級に格上げすることでも合意した。
(3)経済貿易協力が記録を更新。中独間の貿易額は急成長を遂げ、月100億ドルを突破した。2010年は少なくとも1300億ドルに達すると見られる。これは国交樹立以来の新記録だ。
(4)人的・文化交流の開拓。2010年に両国の人的・文化交流はその深さ、広さ、形式のいずれにおいても新たな進展を遂げた。
(5)重要な国際問題での協力が増加。世界的な輸出大国として、両国は利益や見解を共有する。両国ともに保護貿易主義や保護投資主義に反対している。金融規制・監督の強化や世界経済・金融体制改革でも両国は共通の認識または似た見解を有している。G20ソウルサミットや気候変動会議などの多国間会議でも、両国は良好な意思疎通と協調を保った。
呉大使は「両国が重要な国際問題で協力する機会は増えており、その分野や方式も発展している。中独は世界の主要経済体、貿易大国として、実体経済が発達しており、世界経済・金融ガバナンス改革、金融規制・監督の強化、保護貿易主義や保護投資主義への反対などの面で広範な利益や立場を共有している。したがって両国はより緊密な戦略的パートナーシップを発展させるべきだし、その条件も有している。中独関係の持続的・安定的・健全な発展は双方に確かな利益をもたらすのみならず、世界各国、各国民の幸福にも寄与する」と表明した。
「人民網日本語版」2011年1月7日