ゲーリー・ロック氏
資料写真(2009年2月25日)
オバマ米大統領は9日、2月辞表を提出したハンツマン駐中国大使の後任に、中国系米国人のゲーリー・ロック商務長官を指名した。米上院の承認を経て、正式に就任する。
米商務省商業諮問委員会委員で元米商務次官補の董継玲氏は取材に対し、「ロック氏は駐中国大使として最も適任である。ロック氏はハンツマン氏に似て、経済にも政治にも通じている。そして、中国を非常に理解している。ロック氏が駐中国大使になれば、米中貿易の促進につながると考えられる。これはオバマ大統領がロック氏を選んだ理由の一つである」と述べた。
「今回の人事決定には深い意味が隠されている。商務長官は非常に高い職位であり、商務長官から駐中国大使になるというのは、私が知る限りでは、米国史上非常にまれなケースである。オバマ政権は商務長官を駐中国大使にするほど米中関係を重視しているのである」と董継玲氏は語った。
米国華人全国委員会主席の薛海培氏は次のようなことを明らかにした。「(駐中国大使の)候補の中には他にウォールストリートを背景に持つ人がいた。しかし、ロック氏は明らかに適任だった。その理由としては次の3つが挙げられる。一つ目は、ロック氏がオバマ大統領やそのほかの行政部門と密接な関係を築いており、直接大統領と話ができること。これは駐中国大使として非常に有利である。二つ目は、ロック氏がこれまでの駐中国大使と異なり、商務長官に就任した経験があること。米中関係の中でもビジネス関係が最も複雑であり、オバマ大統領はロック氏が対中貿易問題などを打開することを期待している。三つ目は、ロック氏が中国系であること。中米両国の交流にとって有利である。」
ロック氏はワシントン州シアトル生まれの華僑3世。1982年にワシントン州下院議員に選出、1996年にはワシントン州知事に当選、米国初の中国系知事となり、4年後には再任を果たした。最近では、同じく中国系の王暁岷氏が春節(旧正月)前に米国駐中国公使に任命されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月10日