オバマ米大統領は現地時間4日、2012年大統領選への出馬を表明した。大統領再選への道程が正式に始まった。「人民日報海外版」が伝えた。
■オバマ大統領のカード
オバマ大統領は就任時に78%という異例の支持率を獲得し、政治のスーパーマンと称された。だが現実の中でスーパーマンの色合いは徐々に薄れていった。オバマ大統領は就任後、内政では景気回復計画、医療保険改革に大鉈を振るい、金融市場の整理にも乗り出したが、挫折も多かった。量的緩和政策は発展途上国の怒りを買った。二桁の失業率もオバマ大統領にとって大きな打撃となった。昨年11月の中間選挙でオバマ大統領の民主党は大敗を喫し、下院の支配権を失った。少しの不注意でもあれば足を滑らせ、大統領再選という大業に直接響いてくる。
外交面ではイラク撤退とアフガン増兵を発表したが、イラク情勢は依然混乱しているし、アフガニスタン情勢も極めて不安定だ。就任当初の対話路線はブッシュ前大統領の単独行動路線に次第に近づき、リビア空爆では米国が主力となった。支持率も下がり続けている。キニピアック大学が先日行った世論調査では、支持率はすでに42%にまで下落。オバマ大統領は再選にふさわしくないとの回答も約半数に上った。
■「チェンジ」は可能か?
オバマ大統領は当然、自分の置かれた厄介な状況を心得ている。だが情勢は逆転不能ではない。クリントン元大統領も中間選挙で惨敗しながら、最後には再選を果たした。現在のところ、力の伯仲するライバルがいないことも良いニュースだ。
オバマ大統領はホワイトハウスの大幅な人事異動で側近を更迭し、ウォール街との関係が深い高官を迎え入れた。オバマ大統領の切り札は経済カードになったようだ。クリントン時代の側近を多く呼び戻したことから、オバマ大統領がクリントン路線への回帰を選択したことは明らかだ。クリントン氏は「最も経済に長けた」大統領とされていた。オバマ大統領のあらゆる行動は、経済を上向きにすることに向けられている。中国や中南米を訪問したのも、これらの国や地域と契約を締結し、国内雇用を創出するためだ。
オバマ大統領は考えをよく練った上で4日に出馬を表明した。これは同日に失業率が過去2年間で最低の8.8%を示したこと、また、3日にリビア空爆作戦を終えており、平和的姿勢を示すこともできるためだ。
「人民網日本語版」2011年4月7日