中国はまもなく初の航空母艦を配備し、東北アジアで初めて空母を保有する国となる。大連の造船所で02年から改修しているウクライナの「ワリャーグ」が完成間近で、台湾を奪還した清の名将にちなんで「施琅」と命名される見通し。韓国紙「朝鮮日報」の電子版が8日に伝えた。
◆中国海軍の雄心
09年、中国の海上戦略は領海防御から遠海防御に改められ、防御範囲も徐々に拡大し始めた。中国は08年からソマリア付近の海域に海軍の艦船3隻を配備するとともに、昨年4月には戦艦で日本の南中国海を通過して太平洋西部に入る軍事演習などをこなしてきたが、そのカギは航空母艦にあった。
中国が空母を開発している理由は中東の原油を輸入するためだと予測されている。確かに中国は60%の原油は輸入で、輸入原油に依存している。米国の軍事力がインド洋、中国の南中国海、東中国海など中東に通じる海域にまで勢力を伸ばしていることに、中国が脅威を感じているのは明らかだ。
◆影響を与える範囲
空母の誕生はおそらく日本や韓国を含む東北アジアの国々の海上パワーに大きな影響を与えるだろう。「施琅」には作戦半径が800キロメートルを上回る戦闘機「スホーイ33」が配備される可能性が高い。同機は特別に空母作戦のために改良された発展型で、戦闘力では韓国の戦闘機「F-15K」には劣るが、空母に搭載することで戦闘範囲を広げ、戦闘力を高めることができる。機動範囲は米国の早期警戒ヘリコプター「E-2C」には劣るものの、長距離早期警戒レーダーを搭載したヘリコプターを空母に配備するものとみられる。
◆将来の発展
「施琅」は明らかに実験型空母だが、「ワリャーグ」の改修経験を積んだ中国は正真正銘国産の空母を上海で建造する計画だという。2015年から2016年には完成する予定。また、2020年には原子力空母の開発も計画されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月12日