中国が14日に海南省三亜市で開催するBRICSの第3回首脳会議に各国は強い関心を寄せている。BRICSに代表される新興国台頭の基本的な動因、深層のロジックと本質、戦略的影響、将来の発展について、人民大学国際関係学院の金燦栄副院長が解説した。
■BRICS台頭の基本的動因
----グローバル化の波と国内改革の良好な相互作用
記者:「BRICs」はゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストであるジム・オニール氏が提唱したものだ。こうした国々にはどのような共通項があるのか。一体どのような凝集力によって「BRIC(れんが)」はまとまって積み上げられているのか。BRICS台頭の基本的動因は何か。
金燦栄:経済学の視点から言うと、ゴールドマン・サックスはこの4カ国に経済成長と投資回収面で巨大な潜在力があり、BRICsの概念を提唱することで注目を引き、国際資本移動を誘導できることに気づいていた。より広い視野から見ると、BRICsがもてはやされたのは4カ国に共通する特徴に由来する。第1に4カ国は地理条件、資源埋蔵、人口規模のいずれにおいても天然の大国であり、国家の繁栄や強大化を実現する動力と抱負を備えている。第2に4カ国は過去10年間に力強い経済成長を遂げ、国際的地位も著しく向上している。第3に4カ国はいずれも現行の国際体制の辺縁に属す国であり、国際ルールの制定者ではなく、標準の決定、政治的働きかけ、アジェンダの設定においていずれも弱い立場に置かれている。
BRICsは工業化の過程にある一群の新興国の代表だが、全ての代表ではない。今年南アフリカが参加したことで、「BRICs」は「BRICS」に表記が変わった。当初の金融・金融概念から次第に枠組み化、組織化された国際政治・経済の現実へと変化している。
自然環境、政治制度、文化価値観などが異なるため、新興国の経済成長の原因は千差万別と言える。だが各国の経済政策の細部を超えた視点を持てば、こうした国々の台頭の基本的な動因や背景がグローバル化の波と国内改革の良好な相互作用にあることに難なく気づく。
グローバル化の普遍的な進行によって国家や市場の垣根が切り崩され、各種生産要素のグローバルな自由流通が促された。これは新興国の内部変革に知識・技術上の準備を提供した。まさにグローバル化という歴史的チャンスの中で、大部分の新興国は内部改革を積極的に推進し始め、計画経済から市場経済へ、鎖国的状態から対外開放へと向かった。改革は開放という特徴を備えるため、これらの国々は潜在的な経済エネルギーを解き放つと同時に、グローバル市場の資源配分に改めて加わり、グローバル化をさらに豊かなものにした。
この意味から言って新興国は間違いなくグローバル化の直接の受益者であり、またこのために自由市場原則の断固たる守護者ともなった。逆に見ると、グローバル化は一群の新興国の加入によって冷戦終結後20年のうちに輝かしい黄金期を迎えたのだ。
「人民網日本語版」2011年4月12日