2012年のロシア大統領選はもう先の話ではない。「統一ロシア」からはメドベージェフ大統領とプーチン氏のどちらが出馬するのだろうか。
両氏の「双頭体制」にはどのような変化が生じるのだろうか。ここ2年余り、次期大統領選への出馬について問われると、両氏は出馬の可能性を否定せず、2人の間で決定する考えを表明してきた。
だが最近、一部メディアは両氏の言い回しに微妙な変化が生じていることを敏感にかぎつけた。メドベージェフ氏は中国中央テレビ(CCTV)のインタビューに「現任の大統領として将来のことを考えなければならないのは当然だ。私は次期大統領選出馬の可能性を排除しない」と述べた。ロシア政治学者は、メドベージェフ氏がこれまでの「われわれ」という主語を「私」に改めたことを、続投への意欲の表われと見ている。
プーチン氏は13日「私であれメドベージェフ氏であれ、われわれのどちらかが出馬する可能性を排除しない」と述べた。
「統一ロシア」は14日、プーチン氏が第一候補であることを初めて公にし「統一ロシアは自らの指導者に従う」と表明した。メディアはこれについてプーチン氏が出馬をほのめかしたことで、統一ロシアはすでに動き始めたと見ている。
プーチン氏が08年以来入念に築き上げてきた「双頭体制」は国際政治の舞台で独特な光景を呈してきた。両氏はさまざまな場で2人が友好的な同志、友人関係にあることを重ねて表明してきた。
だが西側メディアは両氏の「亀裂」探しを止めず、両氏の溝に関する報道が絶えることはなかった。例えば昨年12月のロシア連邦議会での両氏の「けんか」や、ホドルコフスキーをめぐる見解の相違は一部メディアに大袈裟に取り上げられた。リビア問題をめぐって今年起きた両氏の衝突は「修復しがたい亀裂」としてなおさらに西側を興奮させた。メドベージェフ氏は4月2日、副首相と閣僚に国有企業経営ポストからの辞任を指示した。メディアはただちにこれを大統領選と結びつけ、プーチン氏の側近外しが目的だと指摘した。
だが本当にそうなのだろうか。メドベージェフ氏とプーチン氏は「ロシアの最高指導層間に分裂はあり得ない」と公の場で何度も表明している。ロシアのアナリストからは、人々の憶測を呼ぶこうした場面は、実は両氏が統一ロシアの政権担当能力を高めるために「入念に画策した複雑な謎々遊び」だと指摘する。
両氏の「亀裂」は一体西側メディアの宣伝なのか、それとも本当なのか。双頭体制のどちらが出馬し、どちらが退くのか。大統領選は一歩一歩近づいてきている。答が出る日も遠くない。
「人民網日本語版」2011年4月19日