◆石原慎太郎氏が東京都知事に4度目再選
菅直人首相の震災対応に対する国民の評価が下されるといわれた日本の統一地方選挙――。結果は最も注目を集めた東京都知事選で、石原慎太郎氏が4度目の再選を果たした。
4年前に3度目の再選を果たした石原氏は次は立候補しない意向を示していたが、今回の選挙で78歳の石原氏はものの1分で決着をつけ、圧倒的な強さを見せつけた。
東北を襲った巨大地震について、「日本人の『我欲』に対する『天罰』だ。津波がそれを一掃した」という石原氏の天罰論に、日本全国から激怒の声があがった。
ところが、2位の候補者と100万票の差をつけて当選したところをみると、日本の国民は彼に対する自信を失ったわけではなさそうだ。菅首相の災害対応のまずさも直接選挙の結果に影響し、石原氏の再選を許すことになった。
石原氏の評価は日本国内で両極端に分かれる。教育、環境、税制などの改革には辛手で、その手段も強硬だが、東京都民の心の問題に関しては、特に青少年の心のケアに力を入れ、高い評価を得ている。
英インデペンデント紙によると、原子力支持派の石原氏は、日本は1年以内に核兵器を開発できるとし、世界で唯一原子爆弾の被害に遭った国が核兵器を持つことで、中国やロシアなどの周辺国に対抗できると指摘している。石原氏の4回目の再選で菅内閣は危機的状況に陥り、中日関係にも新たな影を落とす可能性がある。
◆着実な成果で都民が支持