韓国は同盟国・米国を含む世界の大多数の国々が朝鮮半島の東に広がる海を「日本海」と呼んでいることに深く頭を悩ませている。韓国の国会議員は19日、地図上に「誤記」があるとして中国政府を名指しで批判。「日本海」表記を「東海」に改めるよう中国に働きかけることを韓国政府に求めた。人民日報系の国際情報紙「環球時報」が伝えた。
韓国紙「中央日報」(19日付)によると、韓国政府傘下の海外文化広報院は金乙東議員の求めに応じて「韓国に対する海外の誤った認知の事例とその対応案」を提出。これによると中国国家測量局など中国政府のウェブサイトは200カ所余りで同海域を「日本海」と表記している。最多は国家測量局で160カ所で、中国気象局は16カ所、中国中央人民政府は10カ所、中国気象衛星センターは2カ所、中国国家図書館は1カ所だった。金議員は「韓国政府は07年からこうした表記の修正を中国に要求しているが、いまだに1カ所も修正されていない」と指摘。「韓国政府の対応は不十分だ。沈黙外交をすべきではない」と批判した。
「中央日報」の別の記事は「米国や欧州の先進国も『日本海』表記の誤りに注意を払っていないようだ」としている。各国政府のウェブサイトだけでなく、多くの国際機関やメディアも「日本海」表記を採用している。米国務省、国連教育科学文化機関(ユネスコ)、世界気象機関(WMO)、BBCなどもそうだ。
同海域の呼称をめぐり日本と朝鮮・韓国は対立を続けている。日本は「日本海」という呼称は早くも16世紀に採用され、19世紀末には確定したものであり、1910年の日韓併合条約よりも早いため、「植民地改名」の問題は存在しないとしている。だが朝鮮と韓国は、「東海」は日本の植民地支配期に初めて「日本海」に改名されたとして、「根本的に改めなければならない」としている。現在、世界の大多数の公的地図は同海域を「日本海」と表記している。
「人民網日本語版」2011年4月20日