張徳江副総理は19日、ウクライナの首都キエフで開かれた「安全で革新的な原子力エネルギーの利用」をテーマにした首脳級会議に、胡錦濤国家主席の代理で出席した。
張副総理は「国際社会は現在、原子力の安全問題に強い関心を寄せている。各国と共に原子力の発展を図り、原子力の安全促進について協議することは非常にタイムリーかつ必要なことだ。25年前のウクライナのチェルノブイリ原発事故と最近日本で起きた福島原発の放射能漏れ事故に人々は胸を痛めている。これは原発の開発と利用において安全の確保が必須の前提であることを人々に再び示す結果ともなった」と指摘。原子力の安全な発展の促進における国際社会の協力について(1)制度を整え、能力を高める(2)科学技術に依拠し、保障を提供する(3)協力を強化し、安全を促す(4)約束を真摯に履行し、リスクを防ぐ----の4点を提言した。
張副総理は「中国のエネルギー発展戦略は、原子力を平和利用し、クリーンエネルギーの比重を高めることを重視している。原子力の開発・利用過程において、中国政府は安全第一の原則を常に堅持している。日本の福島原発の事故発生後、中国政府は社会と人民に対して責任を負う姿勢で迅速に反応し、直ちに対応策を講じた。今後も中国政府は引き続き、より効果的な安全措置を講じ、自らの約束した国際的義務を厳格に履行し、各国・国際組織と緊密に協力して、原子力の安全な発展を共同で促進していく」と強調した。
今回の会議はチェルノブイリ原発事故から25年にちなんで開かれたもので、ウクライナのヤヌコビッチ大統領が議長を務め、計63の国や国際組織が参加。原子力の安全について議論し、「安全で革新的な原子力の利用」に関する首脳宣言を採択した。
張副総理はこれに先立ち、チェルノブイリ支援国会合に出席した。また、首脳級会議に出席した潘基文・国連事務総長や天野之弥・国際原子力機関(IAEA)事務局長と会談し、原子力の安全、中国と国連やIAEAとの関係について意見交換した。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年4月21日