温家宝総理は記者団に対し、このように述べている:3年前に起きた四川省ブン川大地震の時の日本の温かい支援を、中国国民は決して忘れない。日本でこの度大地震が起きてからというもの、中国人の多くが日本に関心を寄せ、何らかの支援を行なっている。この訪日前、中国赤十字社が伝えたところの情報によると、同団体ですでに6千元以上(約7億6千万円)の義援金が集まっているという。中国赤十字社からは、「苦難の中で築かれた中日間の友好的関係をより大切にしましょう」というメッセージを預かっている。
2007年の温家宝総理訪日は「氷を融かす旅」と称されている。その訪日では、50時間強といった短い滞在時間の中で、30カ所近くを巡り、日本の百姓とトマトの苗を植えたり、立命館大学の学生らと野球をしたり、市民らと共に太極拳をしたりといった、民間人との交流を行なっている。2010年の訪日の際には、上智大学の学生らと野球を楽しみ、後日、彼らの手紙に対し直筆で返信を出している。これも温総理の「国交には先ず民間人との触れ合いを」行なう外交パフォーマンスと言えよう。
中日関係は良くなったり悪くなったりの繰り返しで、その度に国民の感情も右往左往させられている。温家宝総理がこのように何度も日本に足を運び、民間人、学生、被災地住民らと交流の場を持ったことは、隣国との付き合い方、政治家たるものの広い視野、執政者としての決断力を日本に教示していると見なすことができる。また、今後の中日関係の改善・発展に道標となるものだと言ってよいだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月25日