活仏転生の宗教儀軌はこうして完成した。(1)先代ダライの死後(人は死なずに「転生」はできない)、活仏と高僧が捜索隊をつくる(2)宗教儀軌と手順に従い、転生霊童を探し、その中から金瓶掣籤に参加する候補児童を選出する(3)候補児童について中央政府に報告し、承認を得る(4)中央政府の派遣官の下で金瓶掣籤を行う(5)金瓶掣籤により認定された児童について中央政府に報告し、即位の承認を得る(6)中央政府の派遣官の下で転生霊童の即位典礼を行う。この中で特に重要なのが金瓶掣籤だ。これは中央政府の冊封権を堅持するともに、宗教的には釈迦の「法断」を体現している。様々な妨害を排し、偽物を本物と偽って私利を謀る悪習を根絶し、数多のチベット仏教信徒を信服させるうえで有益だ。
だが、ダライ・ラマはどうしたのか。歴代ダライ・ラマが伝え、従ってきた宗教儀軌に背いてよいのだろうか?ダライ・ラマは仏陀の言葉をあれほど多く語っているが、仏教の開祖・釈迦が輪廻の渦に巻き込まれず、苦しみから解脱するよう衆生を教え導いたことを覚えているのだろうか。いかにして苦しみから解脱するのか?釈迦は自我への執着が苦しい輪廻の根源だと考え、執着する自我を捨てる必要性を説いた。
祖国分裂に固執するダライ・ラマよ、自らが生きている間に、限りある間に、執着する自我を捨てることができるのか?転生のために苦悩しているダライ・ラマよ、自分はどのような輪廻・解脱を望んでいるのか?
「人民網日本語版」2011年7月19日