◇菅直人は退陣するつもりがないのかも
上述の三法案が通過すれば、菅氏はおとなしく確実に退陣するのだろうか。それもいいきれないようだ。
まず、菅直人氏はもとより約束を守るタイプの政治家ではない。6月2日、衆議院で不信任案が可決されたとき、彼は「震災処理のめどがついたら」辞職するといい、鳩山由紀夫氏などの反対勢力をかわしたが、実際、不信任案が否決されるときっぱりと近々の辞職を否定して見せ、怒り狂った鳩山氏に「ペテン師」と恫喝された。このことからも、日本政界では菅氏がこの三条件を提示しているのは引き伸ばし策に他ならず、本音は辞める気などさらさらないのではないかと疑う向きも多いという。
これに加え、三法案が国会通過すると菅直人留任の理由ができる。表面的には、三法案通過は菅政権退陣の道筋をつけているようだが、もしかすると民主党幹部の一方的な思い入れなのかもしれない。菅直人氏本人は、この重要三法案が今回の国会で通過すれば、彼にとって輝かしい業績となるだろう。このような好い業績を上げて、辞職することはないだろう。「日本人のために尽く」し続けるほうがよいのではないか。
その上、日程上からも菅氏はどうも退陣の意思がないように見える。現在、9月の訪米が予定されており、日本メディアによれば10月10日の彼の誕生日に訪中したいと言っているという。通常、辞職を考えている首相は外交日程を入れたりはしないだろう。これは菅氏が首相留任の強い意志と希望を説明するものに他ならない。
小泉純一郎氏の後、入れ替わった5人の首相の中で、菅直人氏はすでに在任期間が一番長くなった。1年に1人の割合で入れ替わっていた首相。毎回の入れ替わり様は驚くほど似ていて、支持率は底に落ち、すでに菅氏も退陣すべき時に来ている。日本人にとって菅氏のやり方は理不尽に映る。たいした能力もなく、さまざまな条件を駆使してその座を明け渡そうとしない。日本の問題はほとんどが構造的な問題だから、長期的に深い次元での改革が必要だ。日本人は反省すべきではないか。指導者にもっと幅のある執務をさせるべきだと。さもなければ、菅直人氏が失脚し、新しい首相が就任したところで、彼よりもっと難しい局面が待っているだろうから。
(中国現代国際関係研究院日本所 霍建崗)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年8月15日