首相に指名された野田佳彦氏(30日)
日本で29日に行われた民主党代表選挙で、野田佳彦財務相は「本命」の前原誠司氏、小沢グループが押す海江田万里経済産業相を抑え、民主党代表に選出され、30日に日本の第95代、62人目の首相に指名された。
代々軍人の家柄に生まれた野田氏は「民主党の中の自民党」と言え、極めて右寄りで、領土問題において中国に対して強硬な態度をとってきていることはある程度知られている。先に「『A級戦犯』は戦争犯罪人ではない」と発言したことで、アジア諸国から非難もされた。多くのメディアと評論家は、野田氏の首相就任が、菅政権時にすでに後退した中日関係をさらに悪化させることを懸念している。
中国社会科学院日本研究所の研究員、日本問題専門家の高洪氏は「チャイナネット」の取材に対し、野田氏が政権を握ってからの中日関係の発展を悲観視しておらず、中国との関係をどのように発展させるかは多くの要因で決まると話した。
◇タカ派は左派が恐れるやり方から容易に抜け出せる
高洪氏によると、大国関係は言ってみれば国の戦略的利益によって決まるもので、一人の政治家や政治集団が思い通りに操作できるものではない。大国関係でバランスを取るには、政治家は落ち着いて行動し、挽回の余地を残す必要がある。そのため、政治家は左寄りでも右寄りでも、態度が強硬でも柔軟でも、就任後は逆方向にある程度の修正と調整を行う。そうしなければ、傾向が強く現れすぎ、政敵の攻撃や抑圧を受けることになる。
この点は菅直人氏を見るとはっきりわかるだろう。高洪氏は次のように話す。就任前、菅氏は中国に対して友好的で、現在に至るまで毎年、中国の留学生を家に招いて餃子を振舞っている。菅氏の就任時、「このような中国を理解し、中国に好感を持つ首相は両国関係の発展に新たな原動力をもたらす」と非常に期待されていた。ところが実際は、右翼方面からの抑圧や非難、さらには攻撃を受けたことで、菅氏は両国関係の発展に安易に手をつけられずにいた。
一方、野田氏は強硬派で、歴史問題において頑なな態度をとり続けている。しかし歴史上、中国と友好的だった政治家の中で強硬的な態度をとった右派は少なくない。米国のニクソン元大統領、日本の田中角栄元首相らがその例である。毛沢東主席は、右派の政治家が好きと冗談を言ったこともあるほどだ。右翼方面のタカ派は右翼の抑圧を受けにくいため、逆に左派の政治家が恐れるやり方から抜け出すのは容易である。
◇様々な要因によって決まる野田氏の対中政策