米政府は過去10年間にイラクとアフガニスタンで「浪費と詐欺」によって310億-600億ドルを損失した。この情報はアフガンとイラクからの撤退の時期に明らかになったことで、もともと支出削減の重任に直面していた米国防総省はさらなる圧力を抱えることになった。国民は不満を募らせ、「米国を再建するのか、アフガンやイラクを再建するのか」の選択を政府に迫っている。
◇武装勢力に資金が流出
2008年に設立された戦時請負事業契約の調査委員会は31日に提出した報告書で、米政府が過去10年間にイラクとアフガンで「浪費と詐欺」によって310億-600億ドルを損失したと指摘した。同委員会はイラクとアフガンでの復興事業、後方勤務支援の契約を調査した結果、これらの損失は管理不足、計画の欠如、不十分な競争、そして現地軍閥や武装勢力への賄賂によるものであることを突き止めた。
報告書はアフガン武装勢力の最大の財源として違法薬物取引以外に、米国の支援する建築事業や運輸契約の資金があると指摘しているが、武装勢力にどれほどの資金が流れたかの説明はない。こうした損失の大部分は現地武装勢力や軍閥が請負業者を武力で脅して保護費として徴収したものだという。以前には在アフガン米軍から約3億6000万ドルの資金がタリバン武装勢力、犯罪者、ブローカーに流出したとの報道もあった。
同委員会はこれまでに20回余りの公聴会を開いた。また、軍や政府幹部数百人と面談し、現地調査も重ねた。米メディアによるとこの報告書は、米政府の戦地での請負事業契約と管理能力に関する最も徹底的な調査だ。
「人民網日本語版」より2011年9月5日